16日に中山競馬場で行われる皐月賞(GI、芝2000m)の「血統傾向」を分析する。
2018年以降の皐月賞で3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬2頭を紹介する。ここでは、そのうち1頭を紹介する。
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■パワーとスタミナに優れたノーザンテーストの血
種牡馬表をみると、オルフェーヴルやドゥラメンテ、ルーラーシップなどノーザンテースト内包の種牡馬が活躍していることがわかる。昨年も母系にノーザンテーストを内包しているジオグリフが勝利、2着にキタサンブラック産駒のイクイノックスが入り内包馬でワンツー決着と目覚ましい活躍ぶりだ。

一方、ディープインパクト系種牡馬の集計成績は【1.0.1.20】、勝ったのは2020年の無敗の三冠馬・コントレイルのみと明らかに苦戦傾向。今年も若葉S勝ち馬でショウナンバシットやスプリングS3着のメタルスピードなど複数の馬が出走を予定しているが、今回は割り引きたい。
このような傾向に出る理由はコース形態にある。中山芝2000mは、序盤から高低差2.2mの急坂があるなどアップダウンが多くあり、パワーとスタミナが求められる舞台設定。そのためパワーとスタミナに富んだノーザンテーストの血が生きてくるのだろう。
そこで、ノーザンテーストを内包しているキタサンブラック産駒とドゥラメンテ産駒からそれぞれ1頭ずつを推奨馬としてピックアップしたい。
今回はキタサンブラック産駒に注目する。
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■ソールオリエンス
父は2017年の有馬記念勝ちなどGI7勝のキタサンブラック、母父は05年の英ダービー勝ちなど英GI2勝のモティヴェーター、半兄に20年の富士S勝ちや21年のドバイターフ2着のヴァンドギャルドがいる血統構成。
デビューから2連勝中で無敗でのクラシック制覇を狙う本馬。前走の京成杯では4角で大きく左に膨れる不利があったものの、直線では他馬を一気に差し切り2馬身半差をつけ優勝と粗削りながら素質は上位。まだまだコーナリングなど課題が多いものの、成長力のあるキタサンブラック産駒だけに3カ月の休養期間で肉体、精神面ともにどれだけパワーアップしているか楽しみな一頭だ。
また、血統面でも推せるポイントはあり、父キタサンブラック×母父ノーザンダンサー系の牡・セン馬が、前走芝2000mのレースで2着以内に好走した馬の次走成績は【5.2.0.2】勝率55.6%、連対率・複勝率77.8%、単回収値165。圧倒的な勝率を誇っており信頼を置いていい。
なかでも当日の馬体重が増だった場合は【3.1.0.0】勝率75.0%、複勝率100%、単回収値220。皐月賞のレース傾向はマイナス体重の馬の好走が目立つものの、前走体重が462キロとどちらかと言えば小柄なこの馬にとっては馬体重増がプラスに働きそうなだけに当日の馬体重はチェックしておきたい。
▼その他、血統傾向
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皐月賞2023予想コラム一覧
▼騎手データ
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▼追い切り診断
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▼データ攻略
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▼穴馬予想
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▼その他、過去10年データ傾向
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文●中井達也(SPREAD編集部)