■ソールオリエンス
【中間調整】半兄にヴァンドギャルド(2021年ドバイターフ2着、2022年同3着など)。新馬戦は辛勝だったが、出遅れを挽回し、直線では猛追してきた馬の目標にされたことを考ええば着差以上の内容だったと言える。そこから中8週で挑んだ京成杯では中団後方で折り合い良く追走。3角あたりからジワッと進出するも、4角で逆手前となり外へ大きく膨れてしまった。並の馬なら大敗してもおかしくなかったが、ソールオリエンスは態勢を立て直してから豪快に伸び、結局2着に2馬身半差の快勝を収めている。
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その後は成長と休養を兼ねての休みを取り、皐月賞への直行は既定路線。放牧先の山元トレセンから3月18日に美浦に戻り、19日にはさっそくウッドで13-13をこなせたあたり、牧場でのケアと鍛錬はよほど進んでいたと見ていい。以降ウッドと坂路を併用し順調に時計を短縮。横山武騎手が騎乗した1週前のウッド併せ馬では稽古駆けする先行馬が作り出す速いぺースを追走。直線では抵抗する相手をねじ伏せて抜け出し、大きく先着を果たしていた。
【最終追い切り】レース当週も横山武史騎手が騎乗しウッドで併せ馬。今回はさすがにゆったり入ったが、相手は1週前と同じ。5馬身追走したが直線入口ですんなり取り付き、そこから滑らかに加速すると楽々と抜け出し、半馬身の先着を果たしている。取り付いていく際の気迫十分。
【見解】粗削りながら重賞で快勝を収めたようにポテンシャルは底知れない。外厩で基礎鍛錬はもちろん、競走馬としての完成度をより高める調整をしっかりこなしてきたようで、帰厩後の動きはスムーズそのものだ。コース調整でのコーナーワークなどにまったく不安は感じられない。もちろん、脚力、反応はより研ぎ澄まされており闘志も満々といったところ。京成杯からの直行組は好走例きわめて少ないが、このデキならと思わせるものがある。
総合評価「S」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。