23日に京都競馬場で行われるマイラーズC(GII、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。
京都で行われた過去5回、すなわち2016-20年のマイラーズCで3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬2頭を紹介する。ここでは、そのうち1頭を紹介する。
◆【マイラーズカップ2023予想/追い切り診断】シュネルマイスターを上回る「S」の最高評価 「叩き台にあらず」
■瞬発力のあるサンデー系が大活躍の舞台
種牡馬成績をみていくと、サンデー系種牡馬が4勝を挙げる活躍を見せていることがわかる。なかでも前走上がり3Fが3位以内の馬に絞ると【3.1.0.5】勝率33.3%、複勝率44.4%、単回収値107。18年サングレーザー、19年ダノンプレミアム、20年インディチャンプと3年連続で勝ち馬を輩出しているように、末脚自慢のサンデー系には要注目だ。
一方、ノーザンダンサー系の種牡馬は【0.1.2.5】と勝ち切れていない。2019年の3番人気・モズアスコットが7着に敗退したように上位人気馬の敗退もあって、実績上位だからと言って信頼するのは危険と言えるだろう。
今年も、上位人気が予想されるシュネルマイスター(キングマン産駒)が出走を予定しているが、今回は評価を下げたいところ。
また京都芝1600mは、スタートして最初のコーナーまで長さがあるコース形態となっており、古馬の重賞レースともなると先行争いが激化し、ハイペースで流れる傾向にある。つまり「瞬発力戦」になりやすく、瞬発力に富んだサンデーサイレンスの血が活きる展開というわけだ。
そのため、今回はサンデー系のダイワメジャー産駒に注目する。
◆【マイラーズカップ2023予想/穴馬アナライズVol.2】想定オッズ“20倍”以上の盲点 「鞍上とともにハマれば怖い」
■マテンロウオリオン
父は春秋マイルGI3連覇するなどGI5勝のダイワメジャー、母父は2004年のNHKマイルC、日本ダービーと変則二冠を達成したキングカメハメハ、祖母には01年のオークス覇者・レディパステルがいる血統構成。
3歳時にシンザン記念を勝利、ニュージーランドT、NHKマイルCで2着に入るなど、この世代のマイルにおいて、トップレベルの成績を残した本馬。しかし次走の日本ダービーでブービーの17着に敗れて以降、低調な成績が続いていたが、前走のダービー卿CTでは持ち味の末脚を発揮。上がり2位の脚を使って勝ち馬・インダストリアに0秒4差の4着に入り、復調の兆しを見せた。
そして、血統面でも今回の条件に適性がある。父ダイワメジャー×母父ミスプロ系の牡・セン馬は、2016年以降、京都芝1600mに出走すると【2.1.3.12】勝率11.1%、複勝率33.3%、単回収値121。ややサンプルは少ないものの、2018年のデイリー杯2歳Sを制したアドマイヤマーズも同型の血統構成だった。
また上記の条件に加えて前走と同じ騎手が継続騎乗すると【2.0.1.2】勝率40.0%、複勝率60.0%、単回収値438とかなり優秀。今回マテンロウオリオンに横山典騎手が継続騎乗できる点も心強い。
さらに前述のアドマイヤマーズは2019年5月に行われたNHKマイルCを制しGI2勝目を挙げた。加えてマテンロウオリオンも2022年の同レースで2着に好走しているように、この暖かくなってきた春時期に行われる重賞の舞台では無視できない血統と言えそう。このように複数の好走条件が重なる今回は狙っていきたい一頭だ。
◆【マイラーズカップ2023予想/データ攻略】“勝率100%”は前走惜敗の重賞馬 騎手が証言「時計がかかる京都芝」が後押し
▼その他、血統傾向
◆【血統傾向】マイルと抜群の適性な配合 勝率“5割超”が追い風のアタマ候補
マイラーズカップ2023予想コラム一覧
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】単勝“10人気”想定の爆穴 「ここに入っても見劣らない存在」
◆【穴馬アナライズVol.2】想定オッズ“20倍”以上の盲点 「鞍上とともにハマれば怖い」
◆【穴馬アナライズVol.3】単勝オッズ“2桁”確定の刺客 「相手にはしっかりケアしたい」
◆【危険な人気馬】GI好走馬を“消し”評価 「勝ち馬が出世できていない」
▼騎手データ
◆【騎手データ】“連対率100%”の鉄板コンビが中心 ジャスティンスカイ・川田は対抗以下の判断
▼追い切り診断
◆【追い切り診断】実績上位にまさかの辛口「B」評価 「ドンと来いの状態とは…」
◆【追い切り診断】シュネルマイスターを上回る「S」の最高評価 「叩き台にあらず」
◆【追い切り診断】ソウルラッシュに迫る高評価「A」 「今がまさに充実期と言える」
◆【追い切り診断】重賞馬を上回る評価は想定“6人気” 「併せ馬で闘志満々」
▼データ攻略
◆【データ攻略】“勝率100%”は前走惜敗の重賞馬 騎手が証言「時計がかかる京都芝」が後押し
◆【データ攻略】“想定10人気”前後に馬券内率80% 惨敗続きも「距離適性◎」で再浮上の予感
◆【データ攻略】前走惨敗の有力馬に「3.0.0.1」 乗り替わりでも“積極的に狙う価値あり”
◆【データ攻略】馬券内“パーフェクト”条件で目論む重賞初V コース適性で好走の可能性
◆【WIN5予想】メインは条件合致の想定”5人気”で「一点突破」 WIN1~3は2桁オッズ含め高配当狙い
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】シュネルマイスターの6枠は“4年連続”馬券内 人気以上に好走する2枠に警戒
◆【前走ローテ】昨年覇者ソウルラッシュに勝率“0%”が再び 勝機は前走「GII」組にあり
◆【脚質傾向】シュネルマイスターは4角位置がカギ 最多5勝の先行は“ロンスパ”必須
フローラステークス2023 データコラム一覧
◆【フローラステークス2022予想/枠順・騎手データ】“5年連続”馬券内の好枠に「複勝率5割超」を誇る鞍上
◆【フローラステークス2023予想/前走ローテ】メインは重賞よりも1勝クラスの勝ち馬 昨年優勝のフェアリーS組は不在
◆【フローラステークス2023予想/人気・血統傾向】1人気を上回る馬券内率“70%”が軸候補 最多2勝を誇る父系の産駒に注目
文●中井達也(SPREAD編集部)