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【ラ・リーガ】久保建英、本格覚醒 今季8点目と古巣マドリー撃破で膨らむ2桁得点とCL出場の可能性

【ラ・リーガ】久保建英、本格覚醒 今季8点目と古巣マドリー撃破で膨らむ2桁得点とCL出場の可能性
レアル・マドリード相手に決勝弾を決めた久保建英(C)ロイター

現地時間2日(日本時間3日)に行われたラ・リーガ第33節、レアル・ソシエダは本拠地アノエタにレアル・マドリーを迎えた。2試合ぶりに先発出場した日本代表MF久保建英は、古巣を相手に自身今季8ゴール目となる先制点を挙げ、チームを2-0の勝利に導いた。日本人選手によるリーガでの1シーズン最多得点記録を更新中の久保は、残り5試合で2桁ゴール達成に挑む。

勝利したソシエダは勝点を61に積み上げ、5位のビジャレアルとの勝点差は「7」。久保自身も目標としていた欧州最高峰の舞台「UEFAチャンピオンズリーグ」出場圏内となる4位以内キープに大きく前進した。

◆【実際の映像】久保建英、“古巣”レアル・マドリード相手に値千金決勝弾 抜け目なく押し込んだ今季8点目

■4つ目の決勝点で“復讐”、久保が決めれば8戦全勝

この日、[4-3-3]システムの右ウイングとして先発した久保は、対面した相手左サイドバック(SB)のナチョ・フェルナンデスに苦戦。歴戦のスペイン代表DFに自慢のドリブル突破を仕掛ける前段階で潰されていた。昨季のリーガとCLを制した2冠王者のマドリーに対し、ソシエダが守勢にまわる時間帯が多くなった。

そんな中、久保は守備時に重要な役割を担った。ソシエダの3トップ中央で先発したアレクサンダー・セルロートが相手センターバック(CB)の1人をマークし、もう1人のCBは右ウイングの久保と左ウイングのミケル・オヤルサバルが対面のSBをマークしながら監視。前線でボールを奪えそうな場面ではSBへのパスコースを消しながら両ウイングがCBにプレスをかける、という高度な守備戦術を採っていた。

それが最高の形で実ったのが、後半2分に挙げた久保の先制点だった。

ボールを持った相手の右CBエデル・ミリトンに対しセルロートが激しく寄せてミリトンを後ろ向きにし、無理なバックパスでミスを誘発。久保は相手の左CBをマークしながら、相手GKへのパスを狙い、パスミスをそのままゴールへ押し込んだ。1人で2人の相手を監視する高度な守備から値千金の決勝点を挙げ、大金星を呼び込んだ。

スペイン紙『マルカ』は、「久保建英の“復讐”」と題し特集記事を掲載。今季のリーガで久保がゴールを挙げた8試合はソシエダが全勝している事実を紹介。また、この日の先制点も含め、決勝点が4点目でもある勝負強さを指摘した。

興味深いのは、バルセロナ寄りの 『ムンド・デボルティーボ』紙。永遠のライバルであるマドリーを倒したカンテラ出身の久保に対して最高評価を与え、「いつか戻って来て欲しい」と愛情を交えた寸評でまとめていた。

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■枠内シュート数リーグ8位

久保は前節のオサスナ戦で後半18分からの途中出場ながらMVPに選出されている。僅か27分間の出場で5回のチャンスを演出し、2-0と勝利を決める今季7点目を挙げた。振り返れば、リーガではカタールW杯後に6ゴールを挙げ、第20節からは3試合連続のゲームMVPに選出されるなど、後半戦以降の久保の活躍は段違いだ。

データサイト『Opta』によると、今季の久保の総シュート数61本はチーム最多。枠内シュート数でもチームトップかつ、リーグでも8位タイの28本を計測、決定力の向上は著しい。

枠内シュート数で久保よりも上位なのは、得点王を争うロベルト・レヴァンドフスキ(バルセロナ)の52本、カリム・ベンゼマ(レアル・マドリー)などの42本、世界トップレベルのストライカーたちだ。今季は2トップ起用が多かったとはいえ、久保はドリブルを仕掛けた回数でもチームトップ。これまでチャンスメイカーとみられていたが、上位に名を連ねるこの数字は特筆すべき、久保の成長が窺い知れる。

そして、この枠内シュート率45.9%という高い決定力は、残り5試合で2桁ゴール達成に向けて大きな後押しとなるに違いない。