Advertisement

【ボクシング】戦場から帰還したウクライナの英雄ワシル・ロマチェンコが挑むデビン・ヘイニー戦展望

 

【ボクシング】戦場から帰還したウクライナの英雄ワシル・ロマチェンコが挑むデビン・ヘイニー戦展望
ライト級12回戦で中谷正義に強烈な一打を放ったロマチェンコ(右、2021年6月27日)(C)Getty Images

日本ボクシング界の若大将、中谷潤人(M・T)とアンドリュー・マロニー(オーストラリア)のWBO世界スーパーフライ級王座決定戦が20日(日本時間21日)、ラスベガスのMGMグランドで開催されるが、この日のメインイベントは世界ライト級4団体統一王者デビン・ヘイニー(アメリカ)にワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が挑戦する楽しみな一戦だ。

◆元世界3階級制覇ロマチェンコ、母国ウクライナを守る戦いへ ライフルを手に防衛隊参加

■戦場から帰ったスーパースターが念願の4団体統一に挑む

世界が注目する、今年一番のビッグカード。

ロマチェンコは2010年代に無敵を誇ったスーパースター。4団体統一を目標にしていたが、2020年、テオフィモ・ロペス(アメリカ)に番狂わせで敗れてしまった。しかし、ロペスはジョージ・カンボソス・ジュニア(オーストラリア)に敗れ、さらにWBCのベルトを持っていたヘイニーがカンボソスに勝って4団体を統一したという流れだ。この間、ロマチェンコは何をしていたか……母国を守るために軍隊に志願、ボクシングから離れて戦場で銃を持った。

■ヘイニーの速いジャブとロマチェンコの変幻自在な動き

ヘイニーは24歳と若く、伸びるジャブと叩きつけるような右フックの威力に定評がある。体格でもロマチェンコを圧倒していて、フェイスオフで対峙したふたりは3階級くらいの差を感じさせた。一方、35歳のロマチェンコは昨年10月のジャメイン・オルティス(アメリカ)戦の仕上がりが悪く、衰えが囁かれている。今回、初めてアンダードッグとしてリングに上がることになりそうだ。

新旧交代を予想する声が多いが、果たしてそう簡単に決まるだろうか。ヘイニーの右は強烈だが、ここ6戦は判定勝ちが続いている。変幻自在なロマチェンコに強打を当てるのは容易ではないだろう。となると、まずは速く伸びるジャブで主導権を握ろうとするだろう。ロマチェンコが苦手とするのはグイグイと前に出てくるタイプ。ジャブで突き放す相手は、最も与し易い。“精密機械”が試合をコントロールする可能性も十分にある。

ライト級はジェルボンテ・デービス、シャクール・スティーブンソン(ともにアメリカ)が虎視眈々とベルト総取りをもくろんでいる。ヘイニー vs. ロマチェンコはライト級バトルの幕開けを告げる号砲となる。

◆「最後は気持ちの戦い」寺地拳四朗、9回TKOで挑戦者との激闘を制す 3団体統一は流れるも「またひとつ強くなった」

◆井上拓真、兄・尚弥の返上したWBA王者戴冠 世界王者に返り咲き「4団体を統一する」

Advertisement


◆井岡一翔VSフランコ戦は〝地上波中継終焉〟のゴング ABEMA側は「時代の変換を決定づける」

著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。