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【女子ゴルフ】稲見萌寧、ツアー新記録達成コースで復活のきっかけをつかむか ブリヂストンレディスオープン

 

【女子ゴルフ】稲見萌寧、ツアー新記録達成コースで復活のきっかけをつかむか ブリヂストンレディスオープン
稲見萌寧(C)Getty Images

今季の女子プロゴルフツアーは11試合が終了。

岩井明愛、千怜ツインズなどの成長著しい若手や、申ジエや上田桃子などの実力者がトーナメントを盛り上げる一方、活躍が期待されていながら調子が上がらずにもがいている選手がいる。東京オリンピック銀メダリストで、2020-2021シーズンの賞金女王、稲見萌寧もその一人だ。

18日から愛知県の中京ゴルフ倶楽部・石野コースで開催されるブリヂストンレディスオープンは、稲見と相性が良い大会。ここで稲見らしさを取り戻すきっかけをつかみたいところだ。

◆稲見萌寧、好きなコースで変貌・復調あるか ブリヂストンレディスオープン展望

ツアー新記録を達成したコース

年間8勝と圧倒的な強さを誇った2021年の稲見だが、悪天候のため36ホールの短縮競技となったその年のブリヂストンレディスでの強さは異次元だった。

第1Rがなんと61。11アンダーはツアー記録タイ、13バーディはツアー新記録だ。第2Rは4アンダー。2日間の合計が15アンダーで、2位に6打差をつける圧勝劇だった。

存在感を見せたのは2021年大会だけではない。ツアー未勝利で実績を残し始める前の2019年大会も、「強かった前年に比べると不調」だった昨年大会も、優勝争いに食い込んだ。プロデビュー後出場したブリヂストンレディスすべてでトップ3に入っているのだ(2020年大会は中止)。

2019年と21年は中京GC石野C、22年は袖ヶ浦カンツリークラブ袖ヶ浦コース。中京GC石野コースを得意としているだけでなく、ブリヂストンレディスという大会と相性が良い…と言えるだろう。

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2019年~23年の稲見萌寧ブリヂストンレディス順位

スイング改造、腰痛、コロナ感染

今季開幕から3試合はトップ3に2度入っている。順位だけ見ると、まずまずのスタートのように思えるが、プレーの内容を見るとそうではない。この3試合終了時点(3月19日時点)でのパーオン率が53位、ボールストライキングが63位など、ショットのスタッツが稲見にしては悪すぎる。3月19日時点でリカバリー率が4位。ショットが低調な分をショートゲームで補って上位に顔を出していたのはさすがだが、本来のプレーにはほど遠い内容だった。

ショットの調子が出ない理由の一つがオフに行ったスイング改造。この、ショット精度向上と腰への負担軽減のために行った改造が道半ばで、開幕からイメージ通りのスイングができていなかったようだ。

さらに、長いシーズンとまだまだ続くであろう選手生活のために、コツコツとスイング改造を進めている最中、無情にも腰痛発生。あらためてスイングを見直し、それまでとは異なる改造をすることにした矢先に今度はコロナに感染。1週間ほどクラブを握れない日が続き、2週連続で試合を欠場した。

ショットの精度を取り戻せるか

練習できない期間が長かったことで、ショットをカバーしていたショートゲームにも陰りが見え始め、リカバリー率を15位(5月14日時点)まで落とすほど低調になった。その結果、4戦連続で予選落ち。その間には、体調不良による棄権を挟んでいる。

昨季も、長丁場となった2020-21も、シーズンを通しての予選落ちが4回だったことを考えると心配になる。

ただ、「ようやくゴルフのことだけ考えられる」と、腰痛やコロナ感染以後の体調不良の不安が軽減され、スイングなどに関してやるべきことが頭の中で整理されている稲見の表情は現時点では暗くない。

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稲見といえば、切れ味鋭いアイアンショット。パーオン率は1位が‟定位置”といっても過言ではなかった。練習の虫と言われていた稲見が、体調の不安がなくなり、満足いく練習をすることができるようになれば、再びその定位置を視界にとらえ、稲見健在を見せつけることができるのではないだろうか。

2019年~23年の稲見萌寧ショットスタッツ

昨季も序盤は不調

昨季もシーズン序盤は不調だった。開幕から7戦してトップ10が2回あったものの、予選落ちも2回。その間で棄権を1回挟んでいる。

しかし、その後調子が一気に上向きになった。2回目の予選落ちの翌週の大会から、18戦して優勝が2回、トップ10が13回、棄権を1回挟んでいるものの予選落ち無し、という抜群の安定感を披露した。終わってみれば、メルセデス・ランキング、年間獲得賞金ランキング、ともに3位。今季も昨季のような流れに乗りたいところだ。

稲見の目標は日本ツアーの永久シード獲得。実績からすれば、米ツアー挑戦も選択肢に入るが、日本ツアーの優勝にこだわっている。

永久シード獲得の条件は30勝以上。現在12勝。遠い道のりだが、元女王が偉業達成へ向けて歩みを進める。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。