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【ボクシング】ロマチェンコ、ヘイニーに判定で屈し4団体統一・4階級制覇ならず 垣間見えたリングへの別れ「自分の祖国を支援する」

 

【ボクシング】ロマチェンコ、ヘイニーに判定で屈し4団体統一・4階級制覇ならず 垣間見えたリングへの別れ「自分の祖国を支援する」
ヘイニー(写真左)に敗れたロマチェンコ (C) Getty Images

ロマチェンコの4階級制覇はならなかった。ラスベガスのMGMグランドで開催された世界ライト級4団体統一戦デビン・ヘイニー(アメリカ)vs. ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の一戦は、僅差の判定でヘイニーが4本のベルトを防衛した。

◆【実際の映像】ロマチェンコの4階級制覇ならず 王者ヘイニーが判定勝ちを収めた様子

■試合開始前から異様な雰囲気に

満員の観客で埋まったMGMグランドは、試合開始前から異様な雰囲気に包まれた。故国、ウクライナのために戦う英雄、ロマチェンコに対する大きな声援が送られた。

いつもは立ち上がりで様子を見るロマチェンコだが、ヘイニーの正面に立ちアグレッシブな姿勢を示す。この試合にかける意気込みを感じさせた。一方のヘイニーは速いジャブを見せながら、右でボディを狙う作戦。ティオヒモ・ロペスがロマチェンコ攻略に使った戦法だ。しかし、どちらもディフェンス技術が高く有効打は許さない。

序盤はどちらにつけてもおかしくない緊張感あふれる技術戦が続く。ロマチェンコは5ラウンドに飛び込んで打つ左がヒットするが、単発で威力がない。前日の計量では同じ体重だが、リング上では明らかにヘイニーが大きい。ロマチェンコのパンチは軽く感じる。前半、ポイントはヘイニーがやや有利。

■11Rにようやく見せ場が

ようやくロマチェンコが見せ場を作ったのは、第11ラウンド。的中率が上がった左ストレートに右ショートフックを返すと、これがクリーンヒット。ヘイニーが後ずさると、会場が大きくどよめいた。さらに、同じコンビネーションが何度か当たり、ロマチェンコが明らかにラウンドを取った。

最終ラウンドも果敢に攻めるロマチェンコだが、ヘイニーも応戦。お互いに勝利への執念を見せるなか試合終了のゴングを聞いた。採点は微妙。ロマチェンコの勝利を信じるファンのロマ・コールが響く。

しかし、運命の判定は、ひとりが116-112、残るふたりが115-113で三者ともヘイニーを支持していた。珍しく顔に傷を作ったロマチェンコは、「自分の国に戻って祖国を支援する」とリング上で語った。その表情からは、リングに別れを告げる決心も垣間見えた。試合終了後の戦績は17勝(11KO)3敗。

レジェンドを下して実力を証明した4団体統一チャンプは、ジャーボンタ・デービス、シャクール・スティーブンソンの挑戦を受けることになる。新しい伝説が始まるか…。 デビン・ヘイニーの戦績は30戦全勝(15KO)。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。