【女子ゴルフ】岩井明愛の攻撃力は渋野日向子をも凌駕か、姉妹で全米女子オープン出場資格獲得へ リゾートトラストレディス

 

【女子ゴルフ】岩井明愛の攻撃力は渋野日向子をも凌駕か、姉妹で全米女子オープン出場資格獲得へ リゾートトラストレディス
女子ゴルフの岩井明愛(C)Getty Images

リゾートトラストレディスは、静岡県グランディ浜名湖ゴルフクラブにて25日に開幕となる

過去3大会は黄金世代が優勝(2022年:小祝さくら、21年:勝みなみ、20年:中止、19年:原英莉花)しているものの、次世代の選手が次々と台頭している女子ゴルフ界においては、今大会も下の世代の選手が主役になるのではないだろうか。

主役候補に挙がるのが、4月のKKT杯バンテリンレディスオープンでツアー初優勝を果たし、その後も好調を維持している岩井明愛。昨季は双子の妹・千怜が初優勝から2連勝という快挙を達成し、妹に先を越されたが、今季はメルセデスランキングで姉・明愛が上位につけている(5月22日時点 岩井明愛:2位、岩井千怜:6位)。

明愛は今季トップ10の回数が1位。先週、先々週と2試合続けて優勝争いを繰り広げるなど、最近5試合では、27位タイ、18位タイ、10位タイ、2位タイ、2位と、右肩上がり。リゾートトラストレディスでも上位に顔を出す確率は高そうだ。

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■全米女子オープン出場資格

明愛は、エントリーしている29日の全米女子オープン予選会(千葉県・房総カントリークラブ)を突破するか、7月3日時点の世界ランキング上位75名に入れば、ぺブルビーチゴルフリンクスで開催される本大会の出場資格を得られる。

妹・千怜はすでに5月1日時点での世界ランク上位75名の資格で出場資格を獲得しており、明愛が出場資格を獲得すれば、岩井ツインズに「双子で海外メジャー出場」の実績が加わる。

リゾートトラストレディスの予選を通過すれば28日まで4日間戦うことになる。そして静岡から千葉に移動し、29日に1日で36ホールプレーする全米女子オープン予選会へ出場。今季これまで日本ツアー12試合すべてに出場している中、このハードなスケジュールは疲労蓄積が心配されるが、「2人そろって出たい」と明愛のモチベーションは高い。トレーニングによって鍛えられた体力を武器に、乗り切りたいところだ。

■攻撃的なゴルフ

明愛のプレースタイルは‟超”がつくほど攻撃的。時に周囲が驚くような攻め方をする。

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ステップアップツアー初優勝となった、2021年の山陽新聞レディースカップ。2位と3打差の首位で迎えたパー5の最終ホールでは、2打目をキリギリのところでグリーン手前の池に入れた。そこで明愛はなんとウォーターショットを選択。池の外から4打目を打てばよいものを、‟勝つことよりもチャレンジする楽しさを優先”と言わんばかりに池の中から3打目を打った。結果は1回で池から出ず。1打差でなんとか逃げ切っての優勝となった。

今季のRKB×三井松島レディスでは、直ドラ(ヂカドラ)で観客を沸かせた。舞台となったのは18番ホールの第2打地点。正規の18番ホールだけでなく、岩井千怜、山下美夢有と3人でのプレーオフを同ホールで行った際も、2打目で直ドラを選択した。結果、短いバーディーパットを外し、2勝目とはならなかったが、あらためて‟攻めの岩井明愛”を印象付けた。

■平均バーディー数 渋野日向子以来の4.0台突入するか

明愛の攻撃性はデータにも表れている。

今季の平均バーディ数が3.9474で1位だ。

昨季パーオン率3位、今季も現時点で3位というスタッツが示す高いショットの精度を武器にバーディを量産。平均パット数(パーオンホール)が1位で、昨季、足を引っ張っていたパットが劇的に改善したことが、初優勝、そしてメルセデスランキング2位浮上につながっている。

3パットの多さを見ても、明愛らしさが表れている。3パット率が30位。バーディも3パットも多いということは、それだけ強気のパットをしているということ。ボールがカップに向かって転がればカップインするが、少しでもそれると大オーバー。返しのパットが長くなるため、当然3パットが増える。

この明愛のプレースタイルは海外メジャー覇者、渋野日向子のそれと似ている。

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渋野が一躍、時の人となった2019年の全英女子オープン。熾烈な優勝争いを繰り広げている中で、最終日の短いパー4の12番ホールでは、ほとんどの選手が池の手前に刻んで2打目勝負を選択する中で、渋野はドライバーを選択。ギリギリ池を超え、グリーン横までボールを運び、そのホールをバーディとした。さらに18番ホールの、入れば優勝のパットでは、打った瞬間「強い」と分かる強さでヒット。ボールはカップのど真ん中から奥の壁にドンッと当たってカップインした。少しでも横にそれていたら、大きくオーバーしており、長い返しのパットが残っていたはず。プレーオフにすら進めていなかったかもしれない。

渋野の19年のデータに表れる特徴も今季の明愛の特徴に似ている。平均パット数(パーオンホール)が2位。平均バーディ数が驚異の4.0で1位だったにも関わらず、3パット率が25位だった。シーズンを通して強気のパットで、大きくオーバーし3パットをすることがあるものの、‟壁ドン”バーディを量産していたことがうかがえる。

岩井明愛と渋野日向子のスタッツ比較

19年は渋野が21歳になった年。今年は明愛が21歳になる年。チャレンジ精神溢れるコース戦略。返しのパットが長くなることを恐れない強気のパット。今季の明愛と19年の渋野には、共通点が多い。

全米女子オープン出場資格獲得を狙う明愛。出場となれば、全英女子オープンでの渋野と同じように、海外メジャー初出場での快挙達成を期待してしまうのは私だけではないはずだ。

5月22日時点での世界ランクは73位。ブリヂストンレディスの2位で前週から8ランク上げて全米女子オープン出場資格獲得圏内へ入ってきた。双子で海外メジャー出場資格獲得へ。明愛が持ち前の攻撃力に磨きをかけ躍動するか。

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著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。