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【安田記念/危険な人気馬】GI連勝を狙う有力馬は“消し”  実績不足で「優勝条件を満たしていない」

 

【安田記念/危険な人気馬】GI連勝を狙う有力馬は“消し”  実績不足で「優勝条件を満たしていない」

今週は5週連続東京GIの最後を飾る、第73回安田記念(GI、芝1600m)。今年は白毛のアイドルホース、ソダシをはじめ、レース連覇を狙うソングライン、昨年のマイルCS覇者セリフォス、近3年のNHKマイルC覇者シュネルマイスターダノンスコーピオンシャンパンカラーなど、10頭のGI馬が登録し、マイルの頂上決戦にふさわしい豪華なメンバーが揃った。

そんな中、前走の大阪杯で待望のGI初制覇を果たしたジャックドールが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■初マイルでは勝てない安田記念

外連味のない逃げ脚でターフを湧かせてきたジャックドールが、前走の大阪杯で待望のGI初制覇を果たした。勝ちタイムの1分57秒4はレースレコード。自分の形に持ち込み、後続を寄せ付けない理想通りの勝ち方は、他馬にとって驚異の存在。今回も逃げにこだわりたいメンバーはおらず、すんなり先手を奪えるだろう。

しかし、これまでと異なるのは、自身初となるマイル戦という点。父モーリスも2015年に安田記念を制しており、血統背景からは問題なさそうにも思えるが、モーリス産駒はこれまでに重賞13勝をマークしているが、意外にもマイル重賞はわずか1勝のみ。マイル以下に広げても4勝で、ボリュームゾーンは1800~2200mの中距離を得意とする産駒が多いのが特徴的だ。

そして最大の懸念点は、グレード制が導入された1984年以降、安田記念をマイル未経験で制したのは、92年のヤマニンゼファーただ1頭のみということ。近年では2018年のスワーヴリチャードが、大阪杯でGI初制覇を果たし、初マイルの安田記念で1番人気に支持されながら3着に敗れており、臨戦過程の似ているジャックドールも、同じような結末になりそうな予感が漂う。

ちなみに、前走・大阪杯組(GII時代も含む)の過去10年の成績は、【0.1.2.13】と勝ち馬は輩出していない。前記スワーヴリチャードと、13・14年のショウナンマイティが馬券に絡んでいるが、ショウナンマイティも13年2着時はマイル未経験の立場で安田記念に参戦し、勝ち切るまでには至らなかった。やはり一度でもマイル戦への出走歴があることが、安田記念制覇への条件となりそうだ。

ジャックドールは、東京で【2.0.0.2】とコース実績は十分で、天皇賞・秋でも差のない4着に善戦している。しかし、近4年の安田記念勝ち馬は、それまでに東京の芝1600~1800mで重賞勝ちの実績を持っていた馬で、その点も、東京重賞勝ちの実績がないジャックドールにとっては懸念材料。これらのことを考慮すると、人気ほどの妙味は感じられないので、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。