4日に東京競馬場で行われる安田記念(GI、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。
2018年以降の安田記念で3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬を紹介する。
目次
■3連覇中のディープインパクト系
過去5年、サンデー系種牡馬が4勝を挙げる活躍を見せており、そのなかでもディープインパクト系種牡馬が優秀。その成績は【3.1.0.17】で勝率は14.3%、複勝率は19.0%、単勝回収値は322と優れた数値を示している。
さらに昨年はキズナ産駒のソングラインが勝利し、現在3連覇中であり、その勢いは際立っている。今年もディープインパクトの血には注目すべきだろう。
一方、ロードカナロア産駒は【0.1.1.4】と不振傾向。特にGI9勝馬・アーモンドアイが2019年3着、20年2着と勝利を収めることができなかった点は考慮すべき点。ロードカナロア自身は過去に安田記念を制しているが、産駒に関してはこのレースとの相性が良くない可能性は高そうだ。
今年の安田記念には、昨年のNHKマイルC覇者・ダノンスコーピオンや京王杯SCを勝ってここに挑んでくるレッドモンレーヴと2頭のロードカナロア産駒が出走してくるが、血統傾向からは推しづらい。
このようにディープインパクト系種牡馬が得意とする理由は、コース形態とレース展開にある。東京芝1600mはコーナー2つのワンターンで行われ、加えて短距離路線からの参戦もあり、スタートからゴールまでペースが緩まず、スピード勝負になりやすい。
近年は勝ち時計1分30秒台から31秒台の高速決着となり、レース上がり3Fは32~33秒台へ突入。スピードと瞬発力に長けたディープインパクトの血が活きるというわけだ。
今回は母父にディープインパクトの血を引くこの馬に注目する。
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■ドルチェモア
父は香港クイーンエリザベスC覇者・ルーラーシップ、母は桜花賞馬・アユサン、母父に無敗の三冠馬・ディープインパクトがいる血統構成。
無傷の3連勝で朝日杯フューチュリティSを制し、昨年のJRA賞最優秀2歳牡馬に選ばれた本馬。前走のNHKマイルCでは4番人気に支持されたが、雨の影響で重い馬場となり、力のいる条件に苦しんだのか、いつもの行きっぷりを見せられず12着に大敗。
台風が近づいており、当日の馬場は不確定だが、もし安田記念が近年のような高速馬場で行われるのであれば、本馬のパフォーマンスは一変する可能性も。
次に血統面のデータを紹介したい。父ルーラーシップ×母父ディープインパクトの牡・セン馬は、2018年以降、東京芝の1600m戦に出走すると【4.0.4.8】。勝率25.0%、複勝率50.0%であり、単勝回収値は159と魅力的な数値を示している。ドルチェモア自身がサウジアラビアRCを制しているように、この配合馬は東京マイルの適性が高いと言えるだろう。
さらに上記の条件に加え、前走から中8週以内に出走した場合に絞ると【4.0.2.4】になる。勝率は40.0%、複勝率は60.0%で、単勝回収値は255と単勝勝負を考えたくなる高い回収値を誇る。この配合馬が前走から間隔を詰めて出走してくる場合、さらに上積みが期待でき、前走以上の力を発揮する可能性が高いと言えそうだ。
今回ドルチェモアはNHKマイルCから中3週というローテでの出走。間隔を詰めたローテはプラスに働きそうで、2歳チャンピオンの復活を期待し、ドルチェモアを推奨する。
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文●中井達也(SPREAD編集部)