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【MLB】日本人野手5月の通信簿 大谷翔平は“通算OPS 1.101”の6月猛チャージへ

 

【MLB】日本人野手5月の通信簿 大谷翔平は“通算OPS 1.101”の6月猛チャージへ
エンゼルス・大谷翔平(C)Getty Images

MLBは開幕から50試合ほどが経過。

長期契約を結んだ大物選手や、次代を担うルーキーなども徐々に明暗が分かれ始めている。

日本人野手に目を向けると、大谷翔平はア・リーグ2位の15本塁打と上り調子。鈴木誠也はオフの肉体改造が実を結び、打球関連の指標が大幅に好転。吉田正尚は安打製造機の触れ込みどおり、打率3割を悠々キープ。侍ジャパンで躍動したラーズ・ヌートバーも勝負強い打撃を見せており、高い出塁率でリードオフに定着している。

それぞれ好不調の波はあれど、軒並み順調な5月を過ごした印象だ。

◆日本人投手5月の通信簿 大谷翔平は”キャリア勝率8割超え”の6月逆襲なるか

■メジャートップの勝負強さを誇る、ヌートバー

日本人野手・5月成績(C)MLB

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷は、打者として27試合に出場し、打率.243/本塁打8/打点20/OPS.867をマーク。本塁打王争いでア・リーグ2位につけているものの、5月はやや低調気味のスタートだった。打球関連の指標はいずれもMLBトップクラスを維持しており、昨季課題とされた外角球への対応も抜かりない。一方で、真ん中付近の甘いボールを打ち損じるケースが増え、あちらを立てればこちらが立たずと言ったところ。キャリアを通じて6月の打撃成績が最も良く、打率.314、本塁打28、OPS 1.101でそれぞれトップを記録。今後の猛チャージに期待大だ。

ボストン・レッドソックスの吉田は、4月後半からの猛烈な巻き返しを経て、安定した打撃を続けている。打率、OPSともにチームトップで、三振率の低さがMLB上位3%と光る。高打率を残しながら、初球スイング率10.3%は全体平均より20%近く低く、粘り強い吉田ならではのアプローチとも言える。フォーシームの打率.430に対し、スライダーは.105と苦手にしており、今後、各球団が対策に乗り出してくる可能性がある。

カブスの鈴木誠也(C) Getty Images

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シカゴ・カブスの鈴木は、昨季MLB平均レベルだった打球初速が改善し、ハードヒット率(95マイル以上の打球割合)もMLB上位10%以内まで上昇。3打席連続本塁打を記録するなど、5月に入って一気に数字を伸ばしてきた。走力、肩力の指標が高く、守備では打球反応の良さも際立っている。全てが初体験だった昨季に比べると、全体的にスケールアップした印象だ。

そして、セントルイス・カージナルスのヌートバーは、選球眼の良さと圧倒的な勝負強さで外野のレギュラーを奪取。5月31日(日本時間6月1日)終了時点で、得点圏打率.515は、MLB全体で堂々のトップ。プルヒッターからセンター中心への打撃へとモデルチェンジするなど、より確実性の高い打撃を目指しているようだ。29日(同30日)の試合で守備の際フェンスに激突。腰を痛めて翌日の試合を欠場し、その後、10日間の故障者リスト入り。大事に至らないことを願う。

近年では、秋山翔吾や筒香嘉智らが苦戦するケースも見られたが、WBCを契機に日本人野手の現地評価が大きく変わろうとしている。”大谷翔平だけは例外”と言わせない活躍を、今後も続けてほしい。

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文●SPREAD編集部

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