第40回エプソムC(GIII、芝1800m)は、昨年の当レースで1番人気4着の雪辱を期すジャスティンカフェをはじめ、3勝クラスを制して勢いに乗るレインフロムヘヴンや、マテンロウスカイ、エアロロノアといった、重賞初制覇を狙う面々が激突。秋の大舞台へ飛躍を遂げたいメンバーによる激しい戦いが見られそうだ。
そんな中、前走のダービー卿CTで重賞初制覇を果たしたインダストリアが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
◆【エプソムカップ2023/データ攻略】ラップが証明する“未来のGI馬” 単勝勝負に妙味ありの「100%」条件
Advertisement
目次
■東京は苦手…血統面からも裏付けされる不安要素
インダストリアは、前走のダービー卿CTで、中団から鮮やかな差し切り勝ちを決め、待望の重賞初制覇を飾った。3歳時にはNHKマイルCで2番人気(5着)に支持されるなど、早い時期から期待されていた素質馬が、ここにきて花が開きつつある。しかし、エプソムCでもう一丁、と期待したいところだが、そう簡単には行かないだろう。
過去10年、エプソムCの勝ち馬10頭中8頭が、このレースで重賞初制覇を果たしているように、なかなか重賞を勝ち切れなかった馬が、ここでようやくタイトルを掴む、そんなレースがエプソムCの特徴。事実、オープン特別からの臨戦が【4.4.1.63】、3勝クラスからの臨戦が【1.0.2.8】と、勝ち馬の半数がオープン特別以下からの転戦だった。
一方、前走がJRA重賞組も【5.5.7.55】で、3着以内の延べ30頭中17頭を占めており、馬券検討には欠かせない要素。しかし、その着順を見てみると、4着以内が【0.1.3.15】であるのに対し、5着以下が【5.4.4.40】と、前走は重賞で5着以下に敗れていた馬の巻き返しが目につき、重賞で好走した勢いを、そのままエプソムCでぶつけることができていないのだ。
また、インダストリアの父リオンディーズは、2020年に産駒がデビューし、これまでに同馬を含めて重賞4勝をマーク。2021、22年と種牡馬リーディングは20位、今年も先週末時点で20位と、コンスタントに活躍馬を輩出しているが、好走するコースにはある傾向が見られる。
リオンディーズ産駒は、2020年の産駒デビュー以来、芝・ダートを問わず、左回りより右回りのほうが、好走する確率が高い。右回りは勝率8.8%、連対率17.8%、複勝率25.6%に対し、左回りは勝率7.2%、連対率15.3%、複勝率23.6%という成績だ。これが、芝コースの牡馬・セン馬に限ると、右回りは勝率10.0%、連対率20.5%、複勝率29.4%に対し、左回りは勝率5.4%、連対率15.3%、複勝率25.6%と勝率は2倍近く分が悪い。
インダストリア自身も、中山では4戦3勝と好成績を残しているが、東京では5戦1勝2着1回と、東京コースへの対応力にやや疑問符がつく。長く良い脚を使うというよりも、一瞬の切れ味を発揮するほうが、好走できるタイプ。今回は58キロを背負い、有力勢は軒並み57キロで、その斤量差も気になるところで、人気ほどの妙味はないと考え、ここは思い切って「消し」でいきたい。
◆【WIN5予想】メインは“ジャスティンカフェ”消しの一点突破 函館SSは想定“2桁”で高配当狙い
▼その他、穴馬予想
◆【穴馬アナライズ】単勝“8人気”前後の盲点 「再び大駆けの条件は揃った」
エプソムカップ2023予想コラム一覧
▼データ攻略
◆【データ攻略】想定“10人気”前後の盲点 前走2桁着順の馬に「3.0.0.1」の巻き返し要素
◆【データ攻略】ラップが証明する“未来のGI馬” 単勝勝負に妙味ありの「100%」条件
◆【WIN5予想】メインは“ジャスティンカフェ”消しの一点突破 函館SSは想定“2桁”で高配当狙い
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】ジャスティンカフェは前年と同じ8枠に 人気を上回る「好枠」の伏兵に警戒
◆【前走ローテ】エアファンディタに勝率“0%” 大敗からの“下剋上”に警戒
◆【脚質傾向】「上がり最速」は連対率4割超も ジャスティンカフェのリベンジは4角位置次第
函館スプリントステークス2023予想コラム一覧
▼騎手データ
◆【騎手データ】驚異の連対率“8割”超を誇る軸候補 千二で輝く2騎も信頼
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】想定“10人気”前後の刺客 「秘めた能力は見限れない」
◆【穴馬アナライズVol.2】前日“2桁”オッズの妙味 「狙いすました参戦に漂う好機」
▼追い切り診断
◆【追い切り診断】ブトンドールを上回る「S」の最高評価 「抜群のデキと言える豪快な動き」
◆【追い切り診断】トウシンマカオに迫る高評価「A」 「思惑通り順調な仕上がり過程」
◆【追い切り診断】想定“8人気”前後に高評価 「体調の良さと体幹の強化が見て取れる」
◆【追い切り診断】人気一角の4歳牝馬に辛口評価 「調整過程の随所に“アラ”を感じる」
▼データ攻略
◆【データ攻略】前走完敗も「4.0.1.0」の適性で再浮上 “レア”鞍上に漂う勝負気配
◆【データ攻略】単回収値「803」の破壊力 洋芝×短距離で“覚醒”する血統背景
▼血統傾向
◆【血統傾向】得意な舞台替わりで想定“8人気”前後を指名 単回収値「132」で激走の予感
◆【血統傾向】好走続く想定オッズ“2桁”に食指 驚異の「8.1.1.2」は無視できない
▼その他、過去10年データ傾向
◆【前走ローテ】2勝の京王杯SC組は不在、“勝率6割”の桜花賞組に共通点
■POG2023-2024 特集
◆【POG2023-2024】新種牡馬から一番星で期待大 ソダシと同厩の「アイドル候補生」
◆【POG2023-2024】ノーステッキで2着に9馬身長 評判のモーリス産駒が“ド派手”デビュー
◆【POG2023-2024】藤田晋オーナーの“ウマ娘”に「星4」の高評価 話題の2.1億円ホース
著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。