11日は函館競馬場で夏競馬の開幕を告げる重賞・函館スプリントS(GIII、芝1200m)が開催されます。
今回は札幌で行われた2009年と21年を除く00年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきます。
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目次
■鮫島克駿騎手は勝負強い
今年の函館スプリントSに騎乗する騎手の中で、2000年以降(09年、21年を除く)騎乗経験があるのは12騎手。各騎手のデータは次の通りです。

[2000年以降]函館スプリントSの騎手別成績(09年、21年を除く)
いつもであればまずデータを参照の上、注目すべき騎手を取り上げていきますが、函館スプリントSはある程度の騎乗数があり、かつ連対率も優秀な騎手が池添謙一騎手しか見当たりません。そのため、今回は人気馬に跨る騎手のデータを中心に紹介します。
まず、前日17時時点1番人気のトウシンマカオ(牡4、美浦・高柳瑞樹厩舎)に騎乗予定の鮫島克駿騎手。同騎手は昨年のレースで13番人気のタイセイアベニールを3着に激走させていますね。ただし、1鞍のみ結果では判断ができません。
そこで集計対象を函館芝1200mかつOP以上のレース(2000年以降)に広げると結果は【1.1.1.0】の連対率66.7%、複勝率100%。先ほどのタイセイアベニール以外にも2021年函館2歳Sのカイカノキセキ(2人気2着)、22年函館2歳Sのブトンドール(4人気1着)が当てはまり、この舞台での勝負強さが光ります。
馬連や3連複の軸としてぴったりですね。
■池添謙一騎手は条件合致で連対率85.7%
続いて前日17時時点2番人気のブトンドール(牝3、栗東・池添学厩舎)に跨る池添謙一騎手のデータを見ていきます。
先に同騎手の名を出しましたが、騎乗数12鞍で【4.2.0.6】連対率50.0%と素の数値が素晴らしいですね。2004年から06年にかけてはシーイズトウショウで3年連続連対があります。
注目ファクターは騎乗馬の人気で【池添謙一騎手】×【当日5番人気以内】は【4.2.0.1】で勝率57.1%、連対率・複勝率85.7%。人気馬に跨ってきた結果と言えばそれまでですが、驚異的な数値は騎乗技術があってこそでしょう。
現在のブトンドールの人気を考えると、当日5番人気以上に推される可能性大なため「堅軸」扱いでいいはずです。
■横山武史騎手も乗れている
さらに前日17時時点3番人気のキミワクイーン(牝4、美浦・奥村武厩舎)に騎乗予定の横山武史騎手のデータを見ていきます。
同騎手は函館スプリントSに初騎乗となるため、鮫島克駿騎手と同様に集計対象を函館芝1200mかつOP以上のレース(2000年以降)に広げると結果は【1.1.1.1】の連対率50.0%、複勝率75.0%。
2020年函館2歳Sのルーチェドーロ(4人気2着)、22年青函Sのヴァトレニ(3人気1着)、22年函館2歳Sのオマツリオトコ(8人気3着)など少ない騎乗数で結果を残せています。
先に述べた2騎手と同じように信頼できる騎手と考えられますね。
■岩田康誠騎手は人気馬なら頑張れそう
最後に池添謙一騎手と並ぶ12度の騎乗回数を誇る岩田康誠騎手のデータを見ていきます。2008年のキンシャサノキセキ(1人気1着)、16年のシュウジ(2人気2着)、20年のジョーマンデリン(3人気3着)と集計期間内3度の馬券絡みが確認できますね。
ただし3番人気以内で【1.1.1.3】連対率33.3%は先に取り上げた3騎手と比べると物足りなく4番人気以下では【0.0.0.6】連対率0%。なお、岩田康誠騎手は前日17時時点11番人気のヴィズサクセス(牡6、美浦・奥村武厩舎)に騎乗予定。過去データからは狙いづらいかもしれません。
以上、函館スプリントSの気になる騎手データでした。データ注目騎手は鮫島克駿騎手、池添謙一騎手、横山武史騎手の3名です。3騎手の3連単BOXが意外と配当がつきそうでオススメです。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。