サマーマイルシリーズ第2戦、第71回中京記念(GIII、芝1600m)は、4年ぶりに中京に戻っての開催。今年はNHKマイルC覇者のダノンスコーピオンをはじめ、海外遠征帰りのホウオウアマゾン、米子Sを制したメイショウシンタケや、中京巧者のルージュスティリアなどが集結し、波乱含みの混戦模様だ。
そんな中、前走ヴィクトリアマイルで4着に好走したディヴィーナ(7月18日時点、抽選対象)が、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■GIで単勝200倍台の好走の次は凡走か
大魔神・佐々木主浩氏が馬主で、GI2勝ヴィルシーナの3番仔として、デビュー時から注目を集めてきたディヴィーナ。昨年3月にオープン入り後は、重賞に挑戦し続けるも、2桁着順を繰り返し、なかなか波に乗れなかったが、高いレベルで争われた前走のヴィクトリアマイルで、15番人気の低評価を覆し、上がり最速の末脚で、勝ち馬から0秒2差の4着に好走。あわや一発の見せ場を作り、能力の高さの一端を見せた。
GIで人気薄の激走は、年間でもよく見られる事例。ディヴィーナは単勝224.9倍の15番人気だったわけだが、同様に単勝200倍以上の馬が、芝のGIで5着以内に好走した馬は、過去10年(2013~22年)で18頭いる。
しかし、この超人気薄で好走した次走の成績は【0.1.2.14】(1頭は出走せず)と、次走で勝利した馬はおらず、あまり成績は振るわないのが現実だ。しかも、次走2、3着に好走した例は、3歳限定重賞とオープン特別でのもので、古馬重賞での好走例はなく、芝のGIで人気薄で好走しながらも、次走も引き続き好走することは難しいことがわかる。
また、ディヴィーナは前走時で馬体重が422キロ、一番重くても4走前の430キロと、かなり小柄な牝馬。中京記念の過去10年、馬体重別の成績で、459キロ以下の馬の成績は【0.0.1.21】と、かなり苦戦傾向にある。夏は牝馬、とはよく言われる格言であるが、420キロ台の小柄な馬であると、さすがに厳しい戦いを強いられるのではないか。
前走ヴィクトリアマイルで小差の4着という結果から、GIIIなら、と食指が動きたくなるディヴィーナだが、単勝200倍台の超伏兵だったという点で、たまに訪れる一発屋、という疑念は拭えない。正直、継続して好走できるほどの地力は無いと考え、抽選の立場ながら、出走が叶えば人気を集めそうな雰囲気だが、妙味はないと判断し、今回は思い切って「消し」でいきたい。
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著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。