【プロ野球】セ・リーグ後半戦展望 村上頌樹・大竹耕太郎が覚醒した阪神、“懸念点”ありも首位ターンで18年ぶりの優勝なるか

 

【プロ野球】セ・リーグ後半戦展望 村上頌樹・大竹耕太郎が覚醒した阪神、“懸念点”ありも首位ターンで18年ぶりの優勝なるか

オールスターブレークを挟み、22日からペナントレース後半戦が始まる。約6割を消化した段階で、セ・リーグでは阪神タイガースが2年ぶりの首位ターンを決めたが、2位の広島東洋カープがゲーム差1で追っている。“波乱の熱戦”のセ・リーグ前半戦を振り返り、後半戦を展望する。

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■首位阪神は貯金11で後半戦へ

前半戦で首位に立ったのは阪神だ。岡田彰布新監督が就任してからチーム成熟まで時間を要するかと思われたが、開幕4連勝スタートから3・4月を貯金3(13勝10敗1分)の2位で終えると、5月に19勝5敗の勝率.792と突っ走った。原動力は、昨季まで1軍未勝利だった大卒3年目の村上頌樹と現役ドラフトで加入した大竹耕太郎だ。ともに安定感抜群のピッチングで、村上は6勝5敗、防御率1.97、大竹は7勝1敗、防御率1.48とエース級の成績を収めている。

だが、チーム全体としては決して万全だったわけではなく、エースの青柳晃洋が不振でファーム暮らしが続き、西勇輝も5勝(5敗)は挙げるも防御率4.83とピリッとせず、打線では佐藤輝明が打率.214(10本塁打、42打点)の低打率に悩み、オープン戦絶好調で期待が高まっていたルーキー・森下翔太も打率.183とプロの壁にぶち当たった。ただ、それでも前半戦を貯金11の46勝35敗3分で終えた意味は大きく、まだまだ戦力的余地を残しているのが、後半戦を迎える上での阪神の強みになる。

貯金9(47勝38敗)で2位に付けている広島は“大健闘”と言えるだろう。

2019年から4年連続Bクラスと低迷期が続いた状態で新井貴浩監督が就任。チーム再建までには「時間がかかるだろう」との声が大半を占めていたものの、開幕から投打ともに粘り強い戦いを演じ、3年連続最下位だった鬼門の交流戦を9勝9敗で乗り切った。打線では新4番となった西川龍馬が打率.327と好調で、投手陣では床田寛樹が8勝2敗、防御率1.89、新守護神の矢崎拓也もしっかりと役割を果たしている。右脇腹の肉離れで7月12日に登録抹消となった西川が最低でも8月半ばまで離脱を強いられる見込みで、その間にどれだけ“我慢”できるか。

3位の横浜DeNAベイスターズは、貯金5の43勝38敗2分で前半戦を終えた。先発陣では東克樹が8勝2敗、防御率2.08と好調で、エースの今永昇太が6勝(1敗、防御率2.07)、大物助っ人のバウアーも6勝(3敗、防御率3.46)を挙げている。打線では、宮﨑敏郎が「今が全盛期」と言えるバッティングを続けて打率.347をマーク。佐野恵太、牧秀悟も健在、関根大気の奮闘も目立ち、チーム打率.252はリーグトップだ。今季20セーブも、防御率4.45の山﨑康晃の復調が求められる。

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