■ルージュスティリア
【中間調整】2歳9月のデビュー戦で、のちの牝馬2冠馬スターズオンアースを撃破し快勝。しかしその後は体調面が整わず、7が月ぶりのチューリップ賞が6着、続くフローラSは15着に終わるなどクラシック本番には進出ならなかった。夏にじっくり休みを取り、昨年秋からは条件戦を3連勝と才能をアピールする。そして今年4月に古馬重賞初挑戦となる阪神牝馬Sに挑み0秒5差の6着、続く前走・ヴィクトリアマイルは0秒7差10着。いずれも勝ち負けにはならなかったものの、阪神牝馬Sでは大きく折り合いを欠き、VMでは向こう正面で接触する不利があったことを考えれば、能力でそこまで見劣っている感はない。
◆【中京記念2023予想/追い切り診断】ルージュスティリアを上回る「S」の最高評価 「前走フロック視は禁物のデキ」
その後は放牧先での状況に問題ないことから3勝クラスを快勝したのと同じ舞台である中京記念に目標を定め、6月27日に栗東へ帰厩している。7月2日にCWで14-14をこなしたのが初時計。以降順調に調整メニューを消化し、1週前の坂路追いでは目一杯に負荷を掛けられ4F50秒8と、自己ベストタイの数字をマークしている。
【最終追い切り】この馬の全4勝すべてで騎乗していた福永技術調教師が手綱を握り、CWで併せ馬。稽古駆けする古馬2勝クラスを追走し、序盤から速いラップを刻む意欲的な調整を行った。直線半ばで抜け出しかけるが、相手も走る馬とあってしっかり反撃してくる。結局、手応えで若干優勢を保ち、併入でまとめた。
【見解】素質馬らしい大きな跳び、そしてしっかり踏み込める力強さがある。この中間もその長所をしっかり見せつけるような動きを披露。実戦での気難しさ、乗り難しさを見せる馬で、そこをどう対策するかだが、今回はこれまで坂路で軽めの内容で終えていた最終追いを、ウッド併せ馬である程度負荷を掛ける内容に切り替えてきた。これが奏功すれば、実戦でも持てるポテンシャルをより素直に発揮できるかも。変わり身に期待。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。