ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は21日(日本時間22日)、本拠地でのピッツバーグ・パイレーツ戦に「2番DH・投手」のリアル二刀流で先発出場。
6回1/3を投げ6安打9奪三振5失点4被弾で降板するも、打線の援護で今季8勝目を挙げた。打ってはヒットなしも振り逃げ三振と3四球で全打席出塁、2度ホームを踏み、チーム4連勝に貢献した。
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■移籍期限は8月2日午前7時
試合での活躍もさることながら、外野での話題はもっぱら大谷の行き先だ。日本時間8月2日午前7時のトレード期限まで10日ばかりに迫り、関係者の多くが大谷の行き先に気をもんでいる。
現在、ほぼ毎日更新されるMLB公式サイト上の「大谷トレードの噂」コーナーも大忙しだ。
このコーナーによると、トレードによる大谷の行き先はエンゼルスのアート・モレノ・オーナーの一存にかかっているとされ、オーナー自身が大谷を手放すという選択肢に対し非常に消極的であると報じられている。MLBネットワークのジョン・モロシ・レポーターは「すべてはエンゼルスの成績にかかっている」とし、残り10日でエンゼルスが浮上するのか、それともプレーオフ圏外に沈んだままとなるかが、トレードの鍵となっていると解説。
その上でモロシ氏は、最後の決断はトレード期限の「48時間前、もしくは24時間前までずれこむ」と自身のSNSでも発信。MLB公式サイトもこのレポートを伝えている。
そしてモレノ・オーナーの決断に委ねられるのだとすると今回、大谷がロサンゼルス・ドジャースにトレードされる可能性は限りなくゼロに近いという。同地区のライバルに大谷を譲りたくないという前提がくずれないからだ。
そもそも大谷自身、シーズン後、エンゼルス残留の意思はあるのか。
■エンゼルス残留の意思は希薄
大谷の立場からすれば、エンゼルス残留の強力な意思があれば、そもそも22年シーズン・オフには契約延長は可能だった。しかし大谷は22年オフ、3000万ドル(約42億5370万円)の1年契約を選択。つまり長期契約は大谷側の意思により見送られた形だ。また現在もその意思があればエンゼルスとの契約締結は可能である。しかし、それにサインしないということは、やはり勝利への意欲に溢れ、現在のチームでは難しいと判断している証左でもある。
ワールドシリーズ制覇は非常に難しい。
殿堂入りが確実視されるイチローのようなプレーヤーでさえ、ワールドシリーズにはまったく縁がなかった。一方、伊良部秀輝や井口資仁のようにチームの中心選手ではなかったが、サポートキャストとしてチャンピオンリングを持つ選手も少なくない。もちろん松井秀喜のようにシリーズMVPとして世界王者戴冠は理想であるが、チーム状況が大きくものを言う世界である点は事実だ。
大谷に選択肢のないトレード期限には何が起き、大谷に選択肢が与えられるオフのフリーエージェント(FA)ではどんな決断を下すのか。長くはないアスリートとしての全盛期をどう過ごすのか、日本のファンのみならず、世界中の野球ファンが注目する10日間となりそうだ。
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文●SPREAD編集部