ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が23日(日本時間24日)、本拠地でのピッツバーグ・パイレーツ戦に「2番DH」で先発出場し、初回の第1打席に36号同点ソロを放った。この日は3打数1安打1打点1四球で打率は.302となった。試合はエンゼルスが7-5で逆転勝利し、貯金を「2」とした。
◆【実際の映像】大谷翔平、初回の5試合ぶり36号同点弾は“わずか4秒”で着弾の低空飛行レーザー弾
■ネビン監督「あんな打球見たことがない」
驚がくのアーチがいきなり飛び出した。
1点を追う1回1死無走者で迎えた大谷の第1打席。フルカウントから先発右腕ミッチ・ケラーが投じた内角低めのカットボールを捉えると、打球はセンター方向へ一直線。今季9勝を挙げている好投手から放った一撃は、打球速度112.9マイル(約182キロ)、飛距離410フィート(約125メートル)、角度19度、滞空時間3.99秒という弾丸ライナーであっという間にフェンスを越えた。
この低空弾に対して、米スポーツメディア『The Athletic』のサム・ブラム記者は「角度19度でセンター方向へ本塁打を放ったのは大谷自身初めて。18度は2度あったが、いずれも引っ張ったもの。19度も数回あったが、センターに飛んだことは一度もなかった」とつづり、低弾道での中越えに驚きを隠せないでいた。
フィル・ネビン監督も試合後、「あんな打球は見たことがない。ゴルフボールを打ったみたいだった」とビックリ。続けて「センターにライナーを打ったと思った。本当にそう見えた。あるいは、中堅手の頭上を越えてフェンスに当たる安打かもしれないと…。でも、打球は(中堅フェンス向こうの)木立の中に消えて行った。彼は毎日のように何か違うことをして感動させてくれるが、今日の当たりもその1つだった」と称賛した。
■エ軍守護神「このチームで満足している」
15打席ぶりの安打が、貴重な同点弾となった大谷。チームもこれで勢いに乗り、4本塁打7得点で逆転勝ちに成功。
これでオールスターゲーム明け9試合を6勝3敗とし、後半戦をまずまず順調に滑り出した。しかし、現実を見ればア・リーグ西地区3位であり、ワイルドカード争いでも6位や7位を行ったり来たり。ポストシーズン進出へ向けては微妙な立ち位置となっており、今夏のトレード市場において売り手となるか、買い手となるか不透明な情勢だ。
ただ、守護神カルロス・エステベスは「このチームで皆と一緒にプレーすることに満足している」と語った上で、買い手になるべきと主張。「フロントは僕らが何を必要としているか分かっていると思う。彼らは適切な選手を獲得しに行くはず。もし補強ができたら“ウェルカムだ。一緒にエンゼルスを勝たせよう”って声をかけるね」と話した。
2打席連続本塁打を放ったルイス・レンヒフォも「チームとしてはとてもいい感じだ。試合に勝ち続けること。そして、プレーオフに進出することが僕らの目標だ」とコメントし、売り手に回ることを否定した。
この日は8月1日(同2日)のトレード期限前、最後の本拠地ゲーム。この後、チームは遠征に出かけ、エンゼルススタジアムに戻ってくるのは3日(同4日)。果たしてチームはトレード市場において、どんな動きを見せるのか。そして、大谷はアナハイムに戻って来るのか。激動の1週間となりそうだ。
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文●SPREAD編集部