8月1日のトレード期限まで残り1週間あまりとなり、大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の去就報道もピークに達している。
◆【プレーバック】大谷翔平、初回の5試合ぶり36号同点弾は“わずか4秒”で着弾の低空飛行レーザー弾
チームが辛うじてポストシーズン進出争いに踏みとどまっていることもあり、今夏のトレードに否定的な論調がある一方、ニューヨーク・ヤンキースやテキサス・レンジャーズなど強豪チームが獲得に乗り出すとの情報も駆け巡っている。ただ、新天地の本命候補だったはずのロサンゼルス・ドジャースの動きは鈍いという。やはり今季終了を待って、フリーエージェント(FA)市場での獲得を目指すのか。西海岸の名門の動きに注目が集まっている。
■「ド軍には投手の助けが必要」
米「CBS SPORTS」電子版は23日、「ドジャースは投手の助けが必要で、もし可能なら大谷翔平を獲得するだろう。野球の観点からするとドジャースとエンゼルスの契約は理にかなっているが…」との見出しを掲げ、記事を公開した。
今年もドジャースはナ・リーグ西地区で首位を快走。ポストシーズン進出へ向けて順調に過ごしており、今夏のトレード市場でも買い手となりそうだ。「CBS SPORTS」も好調なチーム状態を鑑みて、「トレード期限までに何人か加えることは間違いない」と補強について断言した。
ドジャースの編成部門を司るアンドリュー・フリードマン氏は先日、「メジャー全体を見渡すとプレーオフに進出できるかどうか不透明なチームが多いため、トレードの最前線ではまだ多くの決定を下すのが困難になっている」とした。続けて「ほとんどの球団はオールスター休み明けから様子見の姿勢をとっており、同時に自分たちの状況を見極めている」と分析。「我々としては何が利用できるか評価し、もし物事が理にかなっていればトレードを実行するつもりだが、そうでない場合は実行しない」と慎重に言葉を選び、ドジャースの立場を説明した。
■ジオリト、ヒックスらがターゲット
ドジャースは現在、大エースのクレイトン・カーショーが肩の負傷で離脱し、サイ・ヤング賞獲得を期待されたフリオ・ウリアスも7勝6敗と芳しくない。そのため「CBS SPORTS」は「ニーズがあるのはピッチング、ピッチング、そしてピッチング」と記し、投手力強化が最優先と繰り返し伝えた。その上で、獲得候補にルーカス・ジオリト(シカゴ・ホワイトソックス)、ジョーダン・ヒックス(セントルイス・カージナルス)、ジョーダン・モンゴメリー(同)らの名前を挙げた。
大谷については、名前こそ出して触れたものの「獲得できるものなら獲得するだろう」とトーンは上がらず。ドジャースは大谷の交換相手となる若い才能を保持しており、交渉においてエンゼルス側が満足するパッケージを提供できると断言。ただ、純粋な戦力交換という意味でなら障害は見当たらないものの、ネックになるのはエンゼルスのアート・モレノ・オーナーの存在だと指摘した。
以前から同オーナーは本拠地が隣接するライバルチームを敵視しており、心情的に大谷をドジャースに送り出すことには消極的と言われている。このため、「CBS SPORTS」も球団に決定権のあるトレードでは、大谷のドジャース行きは可能性が低いと踏んでいるようだった。
やはり、選手の判断で移籍できるオフのFAまで待つのが、ドジャースの戦略なのだろうか。大谷の新天地候補本命と言われてきたチームの動きにも注目が集まっている。
◆大谷翔平トレードのファイナル・アンサーは「48時間前か24時間前」 ドジャースの可能性は低い
◆「メジャー史上もっとも痛みを伴う決断をする時が来た」エンゼルス急失速で大谷翔平のトレード報道が再過熱
◆大谷翔平の36号は182キロ滞空時間3.99秒 打球角度19度の高速低空弾に指揮官もあ然「ゴルフボールを打ったみたい」
文●SPREAD編集部