トロント・ブルージェイズの菊池雄星が26日(日本時間27日)、敵地でのロサンゼルス・ドジャース戦に先発登板。6回を7安打1失点、8奪三振の好投で、メジャー自己最多となる8勝目(3敗)を挙げた。
試合はブルージェイズが8-1で快勝し、貯金を11とした。移動日を挟み、現地28日からは本拠地でロサンゼルス・エンゼルスを迎え撃つ。当初予定されていた大谷翔平の先発登板はなくなったが、ワイルドカード争いにおいて重要な3連戦となりそうだ。
◆【実際の映像】菊池雄星、ド軍相手に見せた6回8Kの快投劇 三振後に見せたガッツポーズの様子
■球団公式も日本語で「素晴らしい」
4試合連続で白星から見放されている菊池は、初回から苦しい投球。1番ムーキー・ベッツ、2番フレディ・フリーマンに2者連続安打を許す立ち上がり。しかし、3、4番を2者連続三振に仕留めるなどクリーンアップを抑えて、ここを無失点で切り抜けた。
1点リードの2回も2死満塁のピンチを招いたが、フリーマンを空振り三振に切って取り、得点は許さず。続く3回は3者連続空振り三振という圧巻の投球を披露。4、5回は走者を出したものの、要所を締めて本塁を踏ませなかった。
大量6点のリードをもらった6回こそ2死三塁から適時打を許して1点を失ったが、崩れることなく後続を抑えた。7回からは救援陣にマウンドを託した菊池。この日は今季最多103球を投じ、6回を7安打1失点、8奪三振でまとめ、1カ月ぶりの白星となる8勝目をマークした。
ベッツ、フリーマン、J.D.マルティネスというビッグネームが並ぶ強力打線を封じた左腕に対して、球団公式も「雄星にとって素晴らしい1日」「最近11試合は防御率3.10」とツイートし、最後は日本語で「素晴らしい」と投稿した。7号3ランを放つなど4打点を挙げた同僚ウィット・メリフィールドは「菊池は集中している時、素晴らしいボールを投げる。今日は相手打者のバランスを崩し、バットの芯から遠ざけた。ストライクゾーンを攻め、優位に立っていた」と賛辞を贈った。
■指揮官「大きなダブルプレーを奪った」
ジョン・シュナイダー監督も「菊池が試合の流れを決めた。何度かピンチを切り抜け、大きなダブルプレーを奪った」と話し、序盤のピンチを粘り強くしのいだ投球を称賛した。
この日は特にストレートが冴え、103球中50球を占めた。残りはスライダー(30球)やカーブ(19球)などを織り交ぜるという配球。菊池は自身の投球について「今日の速球は本当に良かった。97マイル(約156キロ)まで上げることができた。スライダーなどの変化球でバットの芯を外し続けることもできた」と振り返った。
チーム状況については「我々はまだ良い位置にいると思う。もちろん、ア・リーグ東地区を制するには首位とのゲーム差をさらに詰める必要はあるが、現在のクラブハウスの雰囲気は良い感じだ。 私たちは一緒にチャンピオンシップを勝ち取るという目標を持っており、それはまだ我々の頭の中にある」と強調、今後の巻き返しに意欲を見せた。
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文●SPREAD編集部