ロサンゼルス・エンゼルスとシカゴ・ホワイトソックスは26日(日本時間27日)、2対2のトレードが合意に至ったと発表した。
エンゼルスは、ホワイトソックスから先発右腕のルーカス・ジオリト、救援右腕のレイナルド・ロペスを獲得。若手マイナー捕手のエドガー・クエロと、投手のカイ・ブッシュを放出した。同日には「大谷翔平のトレードなし。エンゼルスは今夏、買い手へ」というニュースが球界を駆け巡ったが、その裏付けとなるような移籍劇が早速成立した。
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■米メディア「プレーオフで活躍できるスターター」
老舗スポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』のトム・ベルドゥッチ記者が「エンゼルスが大谷翔平をトレード候補から外した」と伝え、「チームはトレード市場で買い手に回ることを決断したようだ。ペリー・ミナシアンGMはトレード期限までに先発投手とリリーフ投手を補強する予定だ」と報じてからわずか数時間後、その報道を裏付けるようなトレードが発表された。
今回エンゼルスが獲得した先発右腕ジオリトは、今夏のトレード市場で注目を集めていた投手の1人。これまで4度の2ケタ勝利をマークし、2019年にオールスターゲームに初選出された。翌20年にはノーヒットノーランも達成し、サイ・ヤング賞候補のトップ10に名を連ねたこともある。
移籍情報を扱う『MLB TRADE RUMORS』によれば、ジオリトは今季を含めて最近5年のうち4年で防御率4.00未満を記録しており、「明らかにプレーオフで活躍できるスターター」と評価した。
■次なるターゲットはナショナルズのキャンデラリオ
今回のトレード市場ではロサンゼルス・ドジャース、シンシナティ・レッズ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの3球団が特に獲得に熱心と報じられてきたが、その間隙をつくようにエンゼルスが電撃的に交渉をまとめた。
ジオリトと一緒に加入するロペスは先発を務めていたが、22年から完全にリリーフ転向。平均98.3 マイル(約158キロ)の直球と平均87.9 マイル(約141キロ)のスライダーで打ち取っていく。『MLB TRADE RUMORS』は「ロペスは、クローザーのカルロス・エステベスの前でセットアップオプションとしてマット・ムーアとペアを組む」と予想した。
今回の補強で、エンゼルスはプレーオフ進出を目標にしていることを明確にした形だが、さらなるターゲットが存在しているという。『MLBネットワーク』のジョン・モロシ氏によると、ワシントン・ナショナルズの三塁手ジャイマー・キャンデラリオの獲得を狙っているという。今季95試合に出場し、打率.256、16本塁打、OPS.819をマークしているが、今オフにフリーエージェント(FA)となるため、放出候補にあがっている。
奇しくもジオリト、ロペス、キャンデラリオとも大谷と同じ29歳。エンゼルスは「大谷世代」を軸にポストシーズン進出を狙うという意思を示したのか。ただ、8月1日のトレード期限まで予断を許さないことだけは確かだ。
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文●SPREAD編集部