“真夏の格闘技の祭典”こと「のむシリカ presents 超RIZIN.2 powered by U-NEXT」が30日、さいたまスーパーアリーナで開催され、BELLATORパート5試合、RIZINパート8試合の全13試合が行われた。
13試合中8試合がKOか一本での完全決着、そのうち6試合が1ラウンド決着と、スピーディーで爆発力のある試合が展開された。メインのフェザー級タイトルマッチでは朝倉未来が屈辱のタップアウト負けを喫したが、第5試合では鈴木千裕が再起戦で衝撃の世界王者食いを果たすなど、予想を裏切る結末で見る者を熱狂の渦に巻き込んだ。
◆【実際の映像】衝撃のジャイアントキリングに会場騒然……鈴木千裕、Bellator現王者にTKO勝ちで感情爆発の名シーン
■「世界チャンピオンを倒せる拳と確信」
『超RIZIN2』の主役は、間違いなく鈴木だった。
大会4日前に電撃発表されたBellator現フェザー級王者であり、元ライト級王者のパトリシオ・ピットブルとの一戦。ピットブル兄弟が揃い踏みするのは、兄パトリシオのデビュー戦以来18年ぶり。そんな注目度の高いレア興行での“鮮烈な”KO勝ちだった。
試合後更新された鈴木のYouTubeチャンネルでは、「今回は俺のやりたいように戦おう、思いっきり殴り合いにいこうと思って」と作戦を立てずに臨んでいたことを明かし、「タックルが来たら弾いて、殴り合いにいく考えだった」と、自身のやりたかったシンプルなMMAが功を奏したと語った。KOを奪った右ストレートについては「もう絶対立てないだろって感触だった」と振り返る。
試合のテーマにも掲げていた榊原信行CEOの著書タイトル『負ける勇気を持って勝ちに行け』を体現するような戦いぶり。鈴木はこの試合で「世界のチャンピオンを倒せる拳を持っているんだと確信が持てたし、自信になった」とし「世界で戦いたい」と今後の挑戦にも言及した。
■一夜で専門サイトの評価急上昇……Bellatorでの再戦なるか
普段はフェザー級で戦う鈴木にとって、今回のパトリシオ戦は初めての70キロ契約での試合であったが、世界王者を倒した衝撃は凄まじかった。所属団体を問わず、MMAファイターの格付けを行う海外専門サイト『Fight Matrix』は大会後、鈴木を世界MMAライト級ランキングの12位に設定。まさに“急浮上”でのランクインとなった。
さらに、パトリシオは試合後自身のX(ツイッター)に「おめでとう千裕。でもこの物語にはまだ新しい章がある」と投稿。これに対して鈴木も「次はしっかりお互い戦う準備をして ベストな状態で最高の再戦をやりましょう! 俺はいつでもYESだ!」と返した。
すると、さらにパトリシオは「あなたは昨日の一夜でタイトルマッチの権利を得ました。今度はベラトールで会いましょう。Let’s do it. There’s no one else more deserving to fight me for my title.(やりましょう。私のタイトルをかけて戦うのに、これ以上ふさわしい人はいない)」と、タイトルマッチでの再戦を提案。一夜にして、世界王者からBellatorのベルトをかけた再戦要求を受けるまでに飛躍した鈴木。世界進出の日も近そうだ。
◆【実際の映像】衝撃のジャイアントキリングに会場騒然……鈴木千裕、Bellator現王者にTKO勝ちで感情爆発の名シーン
◆“マックの店員”と揶揄された鈴木千裕が米国王者を1RKOできたワケ「大きな収穫だった」
◆朝倉未来「たぶんやり返しにいきますよ。ここで終わるわけにはいかない」 ケラモフに敗戦から一夜、現役続行示唆
文●SPREAD編集部