PGAツアーのレギュラーツアー最終戦「ウィンダム選手権」は3日、ノースカロライナ州のセッジフィールドカントリークラブ(7131ヤード、パー70)で開幕する。
前週の「3Mオープン」を30位タイで終えた松山英樹は、フェデックスカップランキング54位から56位に後退。現時点でプレーオフシリーズ初戦には出場圏内だが、第2戦である「BMW選手権」の出場権は50位以内となっており、現時点では圏外。「ウィンダム選手権」で上位入賞し、ポイントを多く獲得しなければならない状況となっている。
■2021年から改善されたパットとアプローチ
松山はこれまでウィンダム選手権に7度出場し、予選落ちが4回、トップ10入りが1回、トップ25入りが3回。2016年に行われた同大会では通算15アンダー、3位タイでホールアウトするなど、予選落ちは多いが決して相性が悪いコースというわけではない。
直近の出場となった2021年の同大会では、通算2アンダーでカットラインにあと1打及ばず予選落ち。しかし内容を見ると第1ラウンドの4番ホール以外は大崩れしていないことがわかる。鬼門となった初日の4番ホールでは、2打目をグリーン右サイドのラフに入れ、難しいアプローチが必要な状況となっていた。松山はロブショットでアプローチを試みるも距離感が合わず、グリーン横からグリーンに乗せるのに3打を要し痛恨のダブルボギー。その後悪い流れを払拭できなかった。
予選落ちの原因はこれだけでない。2021年大会当時のスタッツを見ると、ショットは安定感を見せていたものの、1ラウンドの平均パット数は初日33.00、2日目28.00と奮わず。3メートルほどのバーディパットを外すシーンも多く見られた。
しかし今季はパッティングスタッツが当時と比べて改善しており、なかでも約3メートル以内のパット成功率は87.26%と当時より1.64%改善。約1.5メートルのパットは88.75%でツアー全体の18位という記録を残している。
さらにアプローチも今季は向上。ストロークゲインド:アラウンド・ザ・グリーンでは0.398(8位)、リカバリー率65.02%(10位)、10~20ヤードのリカバリー率は75.64%(5位)と安定感は抜群だ。
松山の武器であるショット力も怪我の影響を感じさせない安定感を見せており、これに向上した小ワザが加わればトップ10入りの可能性も高いだろう。
レギュラーシーズンもいよいよ最終戦。今季ここまで優勝はないが、前週の3Mオープンでは初日に単独首位になるなど、松山らしい爆発力を見せた。今週もその勢いを見せることができるか、注目したい。
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文●SPREAD編集部