【MLB】藤浪晋太郎、日本人メジャー最速165キロでメッツ中軸をなで斬り 指揮官「ファンタスティックで圧倒的」と称賛

 

【MLB】藤浪晋太郎、日本人メジャー最速165キロでメッツ中軸をなで斬り 指揮官「ファンタスティックで圧倒的」と称賛
日本投手最速をマークしたオリオールズの藤浪晋太郎(C)Getty Images

ボルチモア・オリオールズ藤浪晋太郎が6日(日本時間7日)、本拠地でのニューヨーク・メッツ戦に登板。2点リードの8回から4番手でマウンドに上がると、中軸をわずか9球、3者凡退で退け、今季4ホールド目(移籍後初ホールド)を挙げた。試合はオリオールズが2-0で勝利し、4連勝を果たした。

◆【実際の映像】藤浪晋太郎、日本投手最速の165キロ計測 8回からクリーンアップを全球ストライクの“9球”で3者凡退に! 場内からの拍手と歓声に藤浪もガッツポーズ

■全9球ストライクで3者凡退に退ける

衝撃の9球だった。2-0で迎えた8回、4番手としてマウンドに上がった藤浪。対するはメッツのクリーンアップ。3番ピート・アロンソを見逃しの3球三振に切って取ると、続く4番D.J.スチュワートは空振りの3球三振。5番オマー・ナルバエスには2ストライクと追い込んでから102.3マイル(約164.6キロ)の速球で遊飛に封じた。

100マイル(約160.9キロ)超えの直球と94マイル(151.3キロ)前後のスプリットも織り交ぜて、メッツの中軸をわずか9球、すべてストライクで片付けた藤浪。特にスチュワートへの3球目は102.6マイル(約165.1キロ)を記録し、自己最速を更新するとともに日本人投手最速の数字となった。

メジャーで100マイル超のボールを投げた日本投手は、藤浪と大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)のみ。これまで藤浪の自己最速は102.1マイル(約164.3キロ)で、大谷は101.4マイル(約163.2キロ)だった。日本のプロ野球での日本投手最速は165キロで、日本ハム時代の大谷と佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)がマークしている。

■MLB公式は「完璧で印象的」と伝える

藤浪の快投劇に現地メディアも喝采。地元紙『ボルチモア・サン』のジェイコブ・マイヤー記者は「シンタロウ・フジナミはこの回投じた9球のうち6球はストレートで、そのすべてが100マイルを超えた」とつづり、剛腕ぶりを称えた。また、地元放送局『MASN』のロッチ・クバトコ記者も「9球で三振2つと小飛球に打ち取ったフジナミ、えげつないボールだ」と紹介した。

試合後、ブランドン・ハイド監督は藤浪について「彼の投球はこれまで見た中で最高のもの。ファンタスティックで圧倒的な内容だった」と称賛。続けて「彼は良い登板も苦しい登板も経験したが、ここ2試合は本当に良かった。トロント(ブルージェイズ戦)での登板は制球に問題があったが、その後すぐに再びマウンドに立つことを切望していた。そのことが、彼について多くのことを物語っていると思うし、私は彼を誇りに思う」とコメントした。

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藤浪は2日(同3日)のトロント・ブルージェイズ戦で2者連続押し出し死球を与えるなど乱調で多くの批判を受けた。しかし、4日(同5日)のメッツ戦では1回無失点と立ち直り、この日の快投劇につなげた。

MLB公式サイトは「フジナミの完璧なイニングは印象的だった。チームはいつものセットアッパーであるヤニエル・カノとダニー・クーロムに休養を与えていたため、フジナミの仕事はまさにチームが求めていたものだった」と記し、ブルペン陣を助けた投球に賛辞を贈った。

ア・リーグ東地区で首位をひた走るオリオールズ。その快進撃を支える貴重なセットアッパーとして、藤浪の存在感は増している。

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文●SPREAD編集部