LPGAツアーのメジャー最終戦「AIG女子オープン」は10日、ウォルトンヒースゴルフクラブ(イングランド/6881ヤード、パー72)で開幕する。
AIG女子オープンは2001年からメジャー選手権に格上げし、19年には渋野日向子がメジャー初出場で初優勝、男女を通じて日本人史上2人目のメジャー覇者となった大会でもある。
今年は日本から渋野をはじめ、古江彩佳、畑岡奈紗、笹生優花、西村優菜、勝みなみのLPGAツアー組と、山下美夢有、岩井明愛、岩井千怜、吉田優利、櫻井心那、穴井詩、川﨑春花、木村彩子、西郷真央、馬場咲希の国内ツアー組総勢16名が出場予定。今年最後のメジャー大会で日本人選手の活躍はあるのか。
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■前週猛チャージを見せたツアールーキーに注目
ロンドンの中心地から南へ約25kmほど離れたところにあるウォルトンヒースGCは、内陸にある「ヒースランド」と言われるタイプのコース。海岸沿いの「リンクスコース」と同じく、自然の形状を生かしたフェアウェイやグリーン、ヒースやエニシダといった背の高いラフ、障害物が少なく風の影響を受けやすいという特徴がある。
フェアウェイやグリーンはリンクスコースと同様に硬く締まっており、ランも非常に出やすい反面、ボールはそう簡単に止まらない。ラフはボールを見つけるのも苦労するほど深い箇所もあり、フェアウェイを外したら1ペナのような状況となっている。
そのため、コース攻略には飛距離ではなく確実にフェアウェイを捉える正確なショットと、ランを計算し『点』ではなく『線』で捉える戦略が必要となる。またグリーンのアンジュレーションも大きく、パッティング技術の高さもスコアに直結する。
今回活躍が期待される日本選手のなかでも前週のスコットランド女子オープンで、初日4オーバーから劇的なカムバックを果たした西村優菜に注目したい。
西村の今季スタッツを見ると、平均飛距離は245.23ヤード(149位)とツアーの中でも飛ばない選手だが、フェアウェイキープ率は81.25%(14位)を記録。持ち球のドローボールをコントロールし、パワーではなく確実にフェアウェイを捉え、バーディチャンスを作っていく。また飛距離が出ない西村の場合、セカンドショットで長い番手を持つことが多いため、ランを計算してショットをコントロールすることにも長けている。
また前週のスコットランド女子オープンでは、初日に4オーバー、92位と大きく出遅れたものの、2日目は4バーディ、ノーボギー、3日目はLPGAツアー自己ベストに並ぶ「66」で一気に9位タイへ浮上。最終日の最終18番(パー5)では、残り約230ヤードから3番ウッドで2オンに成功させ、バーディでホールアウト。終わってみれば通算6アンダーという、今季2度目のトップ20入りとなった。
前半戦は初めてのLPGAツアーということもあり、思うような結果を出せない時期もあったが、ここ最近は調子が上向いている。昨年は大会前にキャディバッグがロストするハプニングにも見舞われたが、今年はそのようなドタバタもなさそうだ。リンクスでの良いイメージをメジャー最終戦でも発揮してもらいたい。
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文●SPREAD編集部