女子ゴルフの国内第23戦「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」(長野県・軽井沢72ゴルフ北コース/6702ヤード、パー72)が11日、開幕する。
昨季は、最終日首位タイから出た岩井千怜が大混戦を制し、涙の初優勝を飾った。その千怜はじめ、姉・明愛、山下美夢有らは「全英女子オープン」参戦のため不在だが、夏の軽井沢を舞台に、有力選手たちによる激しいスコアの伸ばし合いが見られそうだ。
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■飛距離が第一、次いで方向性
2022年・岩井千怜、21年・小祝さくら、20年・笹生優花、19年・穴井詩。
過去4年の優勝者である。この顔ぶれから見て取れるのは、飛ばし屋有利の傾向。勝つための条件をより具体化するため、ここからドライビングディスタンスとフェアウェーキープという2つのスタッツについて掘り下げていく。
まずは、22年大会上位選手の期間中の2つのスタッツについて集計してみた。
そもそも、飛べば飛ぶほど曲がる危険性も高まるので、ドライビングディスタンスとフェアウェーキープは相反関係にある。
その上で、上位選手の中で優勝者が最も飛ばしていたということは、距離のアドバンテージがスコアに結び付きやすいコースと考えていい。一方、フェアウェーキープにおいて優勝者は7人中4番目に位置していた。
飛距離で優位に立つことが優先だが、その中でいかにフェアウェーキープの確率を上げていくかが鍵になるといえよう。
次に、過去2年の優勝者に絞って、優勝年の2つのスタッツとその順位をまとめた。
両選手ともドライビングディスタンスはトップ20入り、フェアウェーキープ率は64~65%を維持していたことが分かる。これで飛ばし屋のレベル感と、フェアウェーキープ率の水準が具体的になった。では、この法則を今期に当てはめてみる。
飛距離が出て、フェアウェーキープも一定の水準を満たしているのが上記の選手たちだ。原英莉花については、規定ラウンドを満たしていないので順位はない。ただ、復帰2戦目とはいえ、このコースは彼女に合うといえる。
実績と調子を考えれば、ここ4戦全てトップ5入りしている小祝が断然。だが、今週は初優勝を狙う同期の二人、鶴岡果恋と菅沼菜々に注目したい。鶴岡は今季トップ10入り2回。27位タイ、10位タイ、29位タイとコンスタントに上位争いできるようになってきた。
一方の菅沼は、車移動ができない前週の北海道開催は欠場し、調整に充てた。メルセデス・ランキングは現在22位。出られる試合で順位を上げ、早くシードを確定させたいとの思いは人一倍強いはずだ。
同じく初優勝が待たれるホステスプロの安田祐香にも期待したい。22年予選落ち、21年59位タイ、20年予選落ちと、今大会ではこれまで苦戦が続いている。トップ10入り3回と、結果を残している今季こそ、リベンジを果たしてもらいたい。
初日の注目組は、佐久間朱莉、安田祐香、小祝さくらの組み合わせ。1番から9時50分にティーオフする。そして、菅沼菜々、稲見萌寧、菊地絵理香のペアリング。9時30分、1番スタートとなる。
■有力選手のペアリング
なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。
1番スタート/7:30/竹田麗央、福田真未、不動裕理
1番スタート/8:00/リ・ハナ(韓国)、野澤真央、ささきしょうこ
1番スタート/8:20/鶴岡果恋、川岸史果、李知姫(韓国)
1番スタート/9:00/尾関彩美悠、高橋彩華、藤田さいき
1番スタート/9:20/堀琴音、山内日菜子、原江里菜
1番スタート/9:30/菅沼菜々、稲見萌寧、菊地絵理香
1番スタート/9:40/桑木志帆、吉本ひかる、原英莉花
1番スタート/9:50/佐久間朱莉、安田祐香、小祝さくら
1番スタート/10:00/神谷そら、小滝水音、永峰咲希
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文●河野道久