8月19日のイングランド・プレミアリーグ第2節、日本代表MF三笘薫が所属するブライトンは敵地でウルヴァーハンプトンと対戦。[4-2-3-1]システムの左ウイングで先発出場した三笘は前半15分に先制点を挙げ、後半早々には追加点をアシストする活躍でチームの4-1の勝利に貢献。
三笘はルートン・タウンとの今季開幕戦でも先制点のアシストを記録しており、今季は出場2試合で1ゴール2アシスト。昨季のリーグ33試合の出場で挙げた7ゴール5アシスト以上の活躍が期待できそうだ。
チームも開幕2連勝。昨季クラブ史上最高の6位へと大躍進した中堅クラブを三笘が牽引し、さらなる高みへと導くスタートダッシュとなっている。
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■前半15分に生まれた衝撃弾
前半からボールを支配しながらも相手の守備ブロックを攻略できず、フィニッシュへの流れが掴めないブライトン。序盤から警告も多くなった試合で、膠着しかけていたチームを救ったのは三笘だった。
前半15分、左サイドで開いてボールを受けた三笘は、ゴールから約50mの距離でドリブルを開始。相手DFの間をとる絶妙のコース取りで、緩急をつけて鋭角に急加速したドリブルでカットイン。DFを引き摺りながら合計4人をごぼう抜きし、飛び出してきたGKも難なく制して流し込んだ。
自慢の超絶ドリブルから繰り出した三笘のセンセーショナルな今季初ゴールについて、現地メディア『talkSPORT』は「全盛期のリオネル・メッシを彷彿とさせる。現在の三笘に1億ポンド(約180億円)以上の値札(移籍金)を付けられたとしても驚くべきことではない」と大絶賛。
試合は後半に入ると、早々に味方のシュートのこぼれ球を拾った三笘が、左サイドでコンビを組むエクアドル代表DFペルビス・エストゥピニャンに丁寧なアシストを送って追加点。直後には右ウイングのソリー・マーチが連続ゴールで一気にリードを拡げたブライトンが、相手の反撃を1点に抑えて4-1と快勝。開幕2連勝を飾った。
1ゴール1アシストでチームを快勝に導いた三笘について、現地メディア『Sussex World』や『Sky Sports』がつけた個人採点は「9」。開幕戦に続いて2試合連続でチーム最高評価を得ている。
■主力流出も“ミトマーチ”が牽引
左の三笘が開幕から1ゴール2アシスト、右のマーチも同3ゴールと、攻撃的なブライトンの武器である両ウイングは、その頭文字をとって“ミトマーチ”と呼ばれ始めている。そのコンビ名の愛称は、一時SNSのトレンド入りするほどだ。
昨季のブライトンは6位へと大躍進しただけでなく、中堅クラブながらリーグで4番目に多い72得点を記録。データサイト『WhoScored.com』によると、1試合平均のシュート数16.1本もリーグトップで、ボール支配率においても3番目に高い60.5%を記録するなど、試合の主導権を握りながら攻撃的に戦うチームであることが裏付けられている。
ただし、昨季の大躍進を支えたアルゼンチン代表アレクシス・マクアリスター(リヴァプール)とエクアドル代表モイセス・カイセド(チェルシー)、攻守の要であった2人のMFが高額な移籍金でビッグクラブに引き抜かれた。
現在、その大きな穴を新加入のドイツ代表MFマフムド・ダフードやスコットランド代表の若手MFビリー・ギルモアらが埋めているが、彼らがチームに馴染むまでは両サイドの“ミトマーチ”がブライトンを牽引することになる。
三笘の的確なパス出しや守備力も高く評価するブライトンのデ・ゼルビ監督は、「彼は完璧な選手へと成長している。得点力に関しても最低二桁、15ゴールを狙えるかもしれない」と、期待と信頼を示している。
メッシを彷彿とさせる衝撃の今季初ゴールを決めて見せた三笘には、2年目のジンクスではなく、さらなる飛躍が期待できそうだ。
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文●新垣博之(しんがき・ひろゆき)