【バスケW杯】沖縄バスケットボール100年祭開催、“当時のゴール”復元に地域ガイドなど学生ボランティアも尽力

 

【バスケW杯】沖縄バスケットボール100年祭開催、“当時のゴール”復元に地域ガイドなど学生ボランティアも尽力
撮影:木村英里

■学生ボランティアも自国開催のW杯に尽力

もう一つ、『首里城下町バスケットボールゆんたく散歩』という取り組みも行われている。首里高校のボランティアの学生が首里城周辺のおすすめスポットを案内したり、散歩コースの提案をしてくれるというもの。

撮影:木村英里

実際に一緒におすすめの場所を巡ってみた。ゆいレール首里駅をスタートし、首里染織館suikaraや生徒たちが時々訪れるタコライスのお店などを巡り、首里城を目指すルートを歩いた。首里城周辺のこと、学生生活、参加者の地元についてなど様々な話に花が咲いた。首里高校には県内唯一染色デザイン科があることから、首里染織館suikaraを案内してくれたほか、沖縄の高校生が好物だというパンやアイスクリームなども紹介してくれた。

ボランティアの学生は必ずしもバスケットボールファンというわけではなかったが、散歩の時間を通して世代を超えて交流が生まれ、沖縄でしか販売されていないアイスを片手に、散歩の休憩時間には参加者がバスケットボールの魅力を伝えていた。ボランティアに参加した生徒は「首里高校に通っていても知らないことがあった。昨日はフランスから来た方を、英語を交えて案内した」と教えてくれた。ゆんたく散歩は大会期間中の週末に開催されている。受験本番を控えている高校三年生は、夏休み最後のこのボランティアの経験を今後に生かしてもらいたい。

このイベントを通して、改めて沖縄の人々のあたたかさやバスケットボールへの情熱、想い、歴史を知ることができた。自国開催のワールドカップという貴重な機会。会場内のボランティアだけにとどまらず、多くの人々が盛り上げよう尽力している。

撮影:木村英里

しかし、25日に行われた初戦のドイツ戦、ベンチ向かいの席には空席が目立った。試合後の会見で日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチは、「満席と聞いていたのに、満席じゃなかった。次の試合はみんなに来てほしい」と異例のコメントをした。ネット上には「チケットが欲しくても買えなかったのに」とバスケファンの嘆きの声も見られた。馬場雄大は自国開催について、「プレー中の声援に背中押された。これがホームコートアドバンテージ。やっていて気持ちよかった」と語ったが、自身のSNSで空席が目立つ客席の写真を掲載。渡邊雄太もSNSを通して、「昨日の試合チケットは完売で、チケット欲しくても手に入らなかったって人たくさんいるって聞いてるのに、ベンチ前の席ガラガラだったの意味がわからなすぎる 大人の事情らしいけど、来ない人にチケット配るなら、ほんとに来たい人に売ってあげるべきでしょ」と発信した。

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これを受けFIBAは、「該当席は複数の法人により購入された座席で、理由は不明ですが昨日開催された試合に来場されませんでした。現在この件について調査を行なっており、以降の試合において同様事案がなきよう、最善を尽くしてまいります」とコメントを翌日発表、その後一部座席が再販された。選手に大会中にこのような発信をさせてはならない。気持ちよくプレーし、試合に集中してもらいたい。運営としては課題が残る面もあったが、選手の努力、そして沖縄の人々の思いを尊重し、大会がさらに盛り上がることを期待したい。

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■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。