アトランタ・ブレーブスのロナルド・アクーニャJr.が31日(日本時間9月1日)、敵地でのロサンゼルス・ドジャース戦に「1番右翼」で先発出場。2打席目に30号満塁弾を放ち、メジャーリーグ史上初となる「30本塁打&60盗塁」の偉業を達成した。
◆【実際の映像】アクーニャJr.、MLB史上初の「30本塁打・60盗塁」達成 左中間へ運んだグランドスラム
■ド派手に満塁弾で記録達成
1-1の2回1死満塁で迎えたアクーニャJr.の第2打席。相手先発ランス・リンが投じた5球目を捉えると、打球は左中間スタンドへ飛び込んだ。今季30号となる満塁弾は、打球速度110.5マイル(約179キロ)、角度23度、飛距離429フィート(約131メートル)という豪快な一撃だった。
すでにリーグ最多の61盗塁をマークしていたアクーニャJr.は、この1発で同一シーズン「30本塁打&60盗塁」というメジャー史上初の大記録に到達。これまでエリック・デービスとバリー・ボンズの2人が「30本塁打&50盗塁」をマークしたことがあったが、ついにこれを上回った。
試合後、「30-60」を達成したことについて「特別な気持ちだ」と感想を口にしたアクーニャJr.。「毎日、この愛する野球というゲームをプレーさせてくれる神様に感謝したい。これは私だけのことではなく、チームメートやファンの皆さんにも関わること。この幸せな瞬間を皆で共有したい」と喜びを表現した。
■MVP候補が激突する4連戦
この日スタートしたドジャースとブレーブスの4連戦は、ドジャースのムーキー・ベッツとアクーニャJr.のナ・リーグMVP候補対決という側面もある。現地31日時点で、打率はアクーニャが.337で、ベッツは.317。本塁打はアクーニャJr.の30本に対して、この日も2発放ったベッツが38本とリード。打点やOPSもベッツが上回るが、盗塁になるとアクーニャが62で、ベッツは10と大差がつく。個人間でハイレベルな争いを展開しつつ、両チームとも各地区で首位を独走しており、甲乙つけがたい形になっている。
MVP候補対決について問われたベッツは「別にアクーニャと対戦しているわけではない」とし、「あくまでブレーブス相手にプレーしているんだ。ブレーブスを打ち負かそうとしているんだ」とし、チームの勝利が最優先と強調。その上で「もちろん、彼は素晴らしい。素晴らしい選手だ。彼から何かを奪うことはできない」と話し、メジャーの歴史に名を刻んだライバルを称えた。
ア・リーグのMVPに関しては、すでに大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の獲得が決定的となっており、焦点は満票で受賞するかどうかに移っている。対するナ・リーグは、アクーニャJr.の同僚で、ここまで43号を放ち本塁打レースをリードするマット・オルソンを含めて混戦となっている。
レギュラーシーズンも大詰めを迎え、個人タイトルの行方にも注目が集まる季節となってきた。
◆大谷翔平、再建図るNY2球団が狙うべきFA選手で堂々1位「ケガ後も依然ショウヘイ」 山本由伸は「10チームが視察」で3位
◆本塁打王マット・オルソン、過去6年で「シーズン95%出場」の鉄人ぶり ブレーブス指揮官も「もっと称賛されていい」
◆「25本塁打以上が5人」オルソンノーアーチも…驚愕の“OPS.843”揺るがないブレーブス打線
文●SPREAD編集部