【MLB】風雲急を告げるMVP争い 大谷翔平で決まりと言えない状況を米記者が指摘 シーガー、ジャッジら刺客も浮上

 

【MLB】風雲急を告げるMVP争い 大谷翔平で決まりと言えない状況を米記者が指摘 シーガー、ジャッジら刺客も浮上
大谷翔平(C)Getty Images

ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平は1日(日本時間2日)、敵地でのオークランド・アスレチックス戦に「3番DH」で先発出場し、3打数1安打1四球で待望の45号はまたしてもお預けとなった。これで今季ワーストに並ぶ8試合連続ノーアーチ。本塁打部門で独走中とはいえ、この日30号を放った昨季MVPのアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の追い上げも気になり始めた。チームは同じア・リーグ西地区で最下位のアスレチックスに2-9で完敗した。

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■昨季MVPが史上最速250本塁打

8月23日(同24日)に右肘じん帯の損傷が発表された大谷。その後は打者に専念し、DHとして試合に出続けている。この日は3打数1安打で、4試合連続安打をマーク。これで打率は.307(4位)となり、44本塁打(1位)、95打点(3位)と打撃3部門で上位に入っている。

本塁打に関しては、35本を放っている2位のルイス・ロベルトJr.(シカゴ・ホワイトソックス)に9本差をつけ、独走ムード。しかし、楽観視を許してくれないのは、ロベルトよりジャッジの存在が大きい。現地1日のヒューストン・アストロズ戦では、剛腕ジャスティン・バーランダーから今季30号を放ち、史上最速となる810試合目での通算250本塁打を達成した。

昨季のMVPは試合後、メモリアル弾について「正直、あまり深くは考えていないんだ。勝利への貢献こそ、大きな意味があると思う」と話し、いつも通り“チームファースト”を繰り返した。8月23日(同24日)のワシントン・ナショナルズ戦では1試合3発という離れ業もやってのけており、ア・リーグ新記録となる62発を放った昨季の爆発力が再び輝き出せば、大谷もうかうかしていられないだろう。

■“隠れ首位打者”ついにトップへ

大谷が三冠王を狙う上で1番ハードルが高いのは打率。“隠れ首位打者”と言われてきたコリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)が、現地1日のミネソタ・ツインズ戦でついに規定打席に到達し、.345でトップに浮上した。今季は2度の負傷者リスト(IL)入りが響き、打席数が不足していたが、この日の4打席でそれもクリア。.307の大谷はもとより、2位に後退したヤンディ・ディアス(タンパベイ・レイズ)の.324も軽々超えた。

打点は混戦模様。98で1位のカイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)、 97で2位のアドリス・ガルシア(レンジャーズ)、95で3位の大谷まで僅差で競り合っている。

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そして、気になるのはMVP争い。投手として10勝(5敗)を挙げ、本塁打レースでもトップに立つ大谷の受賞は確実視されているが、シーガーが首位打者のタイトルを取り、チームも優勝したらどうなるか。あるいは、ジャッジが奇跡的な追い上げを見せたら…。

米スポーツメディア『The Athletic』のケン・ローゼンタール記者も先日、ポットキャスト番組に出演した際、大谷の受賞は決定的としながらも「オオタニがシーズン途中でプレーをやめた場合、議論が起きるかもしれない」と話し、今後の状況によっては風向きが変わる可能性を指摘した。

記者投票によって決まるMVPに受賞基準はなく、記者それぞれの価値観が反映されることになる。過去にはチーム成績を考慮すると公言した記者もおり、投票行動は読めない部分もある。大谷の右肘負傷により、無風だったMVP争いも風雲急を告げてきたのだろうか。

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文●SPREAD編集部