【MLB】右肘じん帯損傷の大谷翔平が受ける手術は“ハイブリット型”か TJ手術より早期復帰の期待 米メディアが言及

 

ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(C)Getty Images

ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平は5日(日本時間6日)、敵地でのボルチモア・オリオールズ戦で先発から外れた。

前日4日(同5日)の同カードでは「右脇腹の張り」を訴え、4カ月ぶりに欠場しており、これで2戦連続のスタメン外となった。この日の試合前、フィル・ネビン監督は大谷の症状について「昨日よりだいぶ良くなっているが、きょうは出場しない」と説明した。

◆大谷翔平、2試合連続欠場も右わき腹は「軽度の炎症」 現地記者は今季の復帰に含み「エンゼルスからは期待」

■厄介な箇所として知られる脇腹

4日(同5日)の試合前、2カ月ぶりとなる屋外フリー打撃練習中に右脇腹を痛めた大谷。8月23日(同24日)に発覚した右肘じん帯損傷に続くアクシデントとなり、大谷自身も「かなり痛い」と訴えていたという。

ただ、一夜明けて症状は快方に向かっているようで、ネビン監督は「昨日より良くなっている」と話した。その上で「検査はまだ続いている」とも話し、正確な診断結果が出ていない現状を説明した。

米スポーツメディア『The Athletic』は、右脇腹について「厄介な箇所として知られている」と記し、「今回の負傷により右肘じん帯の手術が前倒しになるかも知れない」と指摘した。

今後、投手だけでなく打者としての出場も難しくなるのであれば、早急に右肘の治療に専念するという選択肢が浮上してくることは当然で、同メディアは「ハイブリット手術がもっとも可能性が高い」という医療関係者のコメントを掲載した。

Advertisement


■14カ月でマウンドへ戻った例も

「ハイブリット手術」とは、「トミー・ジョン(TJ)手術」と「インターナル・ブレーブス(人工じん帯)」という術式を同時に行うため、そう呼ばれている。

一般的に知られている「TJ手術」は、損傷したじん帯を切除した後、本人の別の部位にある正常な腱の一部を損傷した部位に移植し、再建するというもの。

一方、2021年9月に前田健太も採用した「インターナル・ブレーブス」は、繊維状の補強材をじん帯内部に通して、じん帯自体を強化する術式で、通常のTJ手術より回復は早いと言われている。

レイズの右腕タイラー・グラスノーは、この「ハイブリッド手術」を受けた選手のひとりで、術後14カ月でマウンドに戻ったという。

ちなみに、昨季11月23日に通常のTJ手術を受けたブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は約23週間で復帰すると、約35週間で一塁の守備にも就き、完全復活となった。大谷がどのタイミングで、どのような治療を選択するのか、まだ不透明だが、打者としては来季序盤での復活も可能という計算になる。

今オフにフリーエージェントFA)となる大谷。代理人のネズ・バレロ氏は「来年、開始のベルが鳴る時、どこかのラインアップでDHとしてプレーするだろう」と話したが、果たしてどうなるか。大谷獲得を目指すのか断念するのか、各球団も動向を注視している。

◆【速報】オルソン2戦連発45号、大谷翔平抜き両リーグ単独トップに…ブレーブス30発“5人”の最強打線完成間近

◆大谷翔平が「右肘負傷でも出続ける3つの理由」を米メディアが推察 TJ手術回避で打者として最高のシーズンを完走か

◆大谷翔平のトミー・ジョン手術に専門家が見解 復帰は「打者としては24年春」「投手は25年」

文●SPREAD編集部