MLB公式サイトは6日(日本時間7日)、横浜DeNAベイスターズの今永昇太が、今オフにもポスティングシステムを使ってメジャー移籍を目指す方向だと報じた。
記事を執筆した『MLB Network』のジョン・モロシ記者によると、移籍候補先はニューヨーク・ヤンキース、ロサンゼルス・ドジャース、セントルイス・カージナルスなどになるという。米複数メディアが、今永のメジャー挑戦を報じている。
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■「日本球界でトップクラスの先発」
モロシ記者は情報筋の話として伝え、「MLB球団との契約が保証されているわけではないが、今永の持つ能力と投手に対する(MLBの)全体的な需要を考えれば、移籍の可能性は非常に高いと球界関係者は見ている」と記した。
同記者は今永について「2016年のDeNA入団以来、日本の先発投手の中でトップクラス」と称賛。特に三振/四球の8.21は異次元の数字だと紹介し、昨季にはノーヒットノーランを達成したことにも触れた。
今永は今季19試合に登板して7勝3敗、防御率2.81をマーク。また、今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では3試合(先発1試合)で6回2失点7奪三振と好投した。モロシ記者は「彼の三振を取る能力はメジャーのスカウトに対して良いアピールになる」とした上で、今オフにローテーション投手の補強が必要なヤンキース、ドジャース、カージナルスが移籍候補になるとした。
■契約内容は同じ30歳の千賀と同等か
米スポーツサイト『Bleacher Report』は、30歳の今永が受け取る年俸について「コウダイ・センガがニューヨーク・メッツと結んだ契約(5年7500万ドル)がふさわしいものになる」とし、同じ30歳で海を渡った千賀滉大と同程度の条件になると予想。千賀が1年目から活躍していることも、「今永の交渉を力強く後押しする」と指摘した。
これまでに4回ほど今永を注目選手として取り上げてきた米サイト『MLB TRADE RUMORS』は、「威力のある速球はないが、制球力で成功を収め、スプリッターに近いチェンジアップで三振を奪う。カッター、カーブ、スライダーもある」と投球内容を分析。続けて「彼は昨オフ、ポスティング契約に向けて話し合いを進めるため、米国に本拠を置く代理店オクタゴンと契約した」と説明した。
■メッツはローテーションに3つ空き
また、ヤンキースやドジャース、カージナルスが新天地候補に挙がるなか、ニューヨークの放送局『SNY』は、メッツも独自に追加。「メッツは(来季メジャーに挑戦するであろう)オリックスバファローズの山本由伸を獲得する有力候補だが、3つの空きが出るローテーションを埋めるために今永とつながっていても不思議ではない」とし、メッツが獲得レースに参戦する可能性に言及。ビリー・エプラーGMが、ロサンゼルス・エンゼルス時代に大谷翔平の獲得に尽力したことや、千賀の獲得に成功したことなどの実績も強調した。
今オフのFA市場における注目投手は、ブレイク・スネルや山本がトップ集団を形成しているが、『SNY』は今永もそこに加わるとした。大谷の右肘じん帯損傷の行方によっては、各球団の補強方針が大きく揺れ動き、今永に対する需要が一気に高まる可能性もありそうだ。
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文●SPREAD編集部