【ラグビーW杯】日本代表、予選突破へカギ握る“開始10分間” 勝負のイングランド戦に「キーマン」が満を持して復帰へ

 

【ラグビーW杯】日本代表、予選突破へカギ握る“開始10分間” 勝負のイングランド戦に「キーマン」が満を持して復帰へ
姫野和樹(C)Getty Imnages

ラグビーワールドカップ2023フランス大会、ジャパンの第2戦、イングランド戦が17日(日本時間18日)に迫った。最低限の目標であるベスト8進出をかけて、もっとも重要な試合となる。試合展開を占ってみたい。

◆「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」日本代表 順位表/試合日程/放送・中継スケジュール

■ジョージ・フォードはイングランドの救世主?

ジャパンは初戦のチリ戦を42-12で快勝。4トライ以上に与えられるボーナスポイントを含め、勝ち点5を獲得した。久しぶりに選手、スタッフ、ファンにも笑顔が戻り、雰囲気もよくなった。

笑顔が戻ったのは、イングランドも同様だ。劣勢と思われたアルゼンチン戦を27-10で勝ち切った。予選落ちも危惧されていただけに、ジャパン以上に勢いを取り戻す1勝といえるだろう。

勝利の立役者となったのは、ジョージ・フォード(SO)だ。キャプテンのオーウェン・ファレルがレッドカードの制裁で欠場しているため、いわば代役での先発出場だった。ところが、なんとドロップゴールを3連発で成功。2003年にイングランドを優勝に導いたジョニー・ウィルキンソンを思い起こさせる大活躍を演じた。そのほかにもPGを6本決め、全27得点をその右足で叩き出した。このまま勝ち進めば救世主になる。

逆にコツコツ3点ずつ点差を広げられたアルゼンチンはフラストレーションを募らせ、以前の雑なラグビーが顔を出してしまった。チームを立て直すことができるか、22日(同23日)のサモア戦が試金石となる。

■ジャパン、イングランド、両チームの作戦は?

イングランドはなりふりかまわず、同じ作戦でくるだろう。フォードに加え、エリオット・デイリー(FB)という遠距離砲もいる。キックチャンスがあれば、迷わず3点を狙ってくるはずだ。

実際のところ、分かっていてもドロップゴールを防ぐのは難しい。2003年のときも、決勝まで誰もウィルキンソンを止められなかった。できることはペナルティを極力減らして、PGのチャンスを与えないことだ。当然のことだが、どの試合にも増して規律が重要となる。

一方のジャパンは、キッキング・ゲームに対応しつつ、機を見てトライを狙いたい。初戦に勝ったとはいえ、イングランドは本調子ではない。早い時間にきれいなトライを決めて先行すれば、流れはつかめる。ゲーム開始直後の10分間が重要だ。

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期待したいのは初戦を休み、満を持して登場するキャプテン、姫野和樹(NO8)。そして、キッキング・ゲームに対応する松島幸太朗(WTB)とセミシ・マシレワ(FB)だ。アグレッシブな攻撃ができれば、イングランドのディフェンスは突破できる。

■欧州の伝統国が意地を見せたファーストラウンド

プール戦第1ラウンドでは、イングランド以外にもヨーロッパの伝統国の活躍が目立った。開幕戦では、フランスがオールブラックスを27-13で撃破。8万人の大観衆が快勝に酔った。10月28日の決勝で、再びラ・マルセイユズの大合唱が聞けるのか。

プールCでは、ウェールズが評価の高いフィジーを32-26で振り切った。まさに伝統国の意地を見せた一戦だった。しかし、フィジーもラストプレーでトライチャンスを作り、実力があるところを見せた。17日のオーストラリア戦は面白い試合になるだろう。

アイルランドも格下のルーマニアに82-8と大勝した。18-3でスコットランドを抑えて、もっとも安定した力を見せた南アフリカとの対戦(9月23日)は注目だ。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。