10月1日は中山競馬場で秋GIシリーズの開幕戦となるスプリンターズS(GI、芝1200m)が開催されます。
近10年の勝ち馬にロードカナロア、レッドファルクス、グランアレグリアらがいて、GIの中ではリピーターの台頭が目立つレースです。
今回は2002年と14年の新潟開催を除く2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。
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目次
■松山弘平騎手はベタ買い推奨
今年のスプリンターズSに騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは12騎手。各騎手のデータは次の通りです。
最近取り扱った重賞は過去データだけでは断言できないことが多かったのですが、スプリンターズSはデータ的に素直。
複数の連対があるのは僅か3騎手だけで、好走が特定の騎手に集中していますね。
まず取り上げるのが勝てないまでも人気以上の好走が多い松山弘平騎手。
2012年のドリームバレンチノ(9番人気3着)、16年のミッキーアイル(2番人気2着)、20年のアウィルアウェイ(10番人気3着)、そして22年のウインマーベル(7番人気2着)と何度も波乱を演出してきました。
注目ファクターは年齢で【5歳以下の馬】に騎乗時は【0.2.2.0】で複勝率100%です。複勝回収率は500%にも到達することからベタ買いがオススメです。
そんな松山弘平騎手が跨るのが前日17時時点9番人気のウインマーベル(牡4、美浦・深山雅史厩舎)。昨年の2着馬ながら前走16着が嫌われている様子。激アツ条件に該当する以上、馬連や3連複の軸として勝負してみるのが良さそうですね。
■5番人気以内の池添謙一騎手は勝負強い
続いて池添謙一騎手のデータを見ていきます。2003年のデュランダル(5番人気1着)、04年のデュランダル(2番人気2着)、05年のデュランダル(2番人気2着)、11年のカレンチャン(3番人気1着)、12年のカレンチャン(1番人気2着)の結果からも明らかなようにスプリンターズSの中心騎手としてここまで活躍してきました。
同騎手の注目ファクターは当日の人気で【当日5番人気以内】なら【2.3.0.2】で連対率71.4%をマーク。
残念ながら昨年のメイケイエールは1番人気で14着でしたが、過去データからは間違いなく買えるパターンでした。
今年も池添謙一騎手はメイケイエール(牝5、栗東・武英智厩舎)に騎乗予定。同馬は前日17時時点で4番人気。当日もこの人気が続くようなら、こちらも堅軸扱いで良さそうですね。
■川田将雅騎手は悪くないが…
さらにここまで人気馬に跨る機会が多い川田将雅騎手のデータを見ていきましょう。
集計期間内に4度1番人気馬に跨っていますが、その結果は【1.1.1.1】で連対率50%。悪くはないが、良くもないというのがデータ上の結論ですね。
松山弘平騎手、池添謙一騎手より人気馬に騎乗している状況で同じ連対率なのも気になります。
同騎手は前日17時時点3番人気のママコチャ(牝4、栗東・池江泰寿厩舎)に跨りますが、過去データからやや人気過剰な傾向が見られますので、そこまで配当妙味はありません。押さえあたりで考えるのが良さそうです。
■ナムラクレア&浜中俊騎手は?
最後に前日17時時点1番人気のナムラクレア(牝4、栗東・長谷川浩大厩舎)に騎乗を予定する浜中俊騎手のデータを見ていきます。
同騎手は4番人気以内に推される機会がここまで4度あり、その結果は【0.0.0.4】。2015年のミッキーアイル(4番人気4着)、16年のダンスディレクター(4番人気15着)、21年のジャンダルム(4番人気11着)、22年のナムラクレア(2番人気5着)とチャンスをなかなか掴めていません。
また、人気馬に跨った機会はかなり限られますが、中山でのGI成績は【0.0.1.22】で連対率0%。唯一の馬券絡みが2015年の皐月賞で、キタサンブラックに跨り3着でした。
スプリンターズSの過去データ、中山GIの過去データから買える材料を残念ながら見つけることができず、こちらも押さえまでとして考えるべきしょう。
以上、スプリンターズSの気になる騎手データでした。データ注目騎手として松山弘平騎手、池添謙一騎手の2名を取り上げます。上記2名のワイドは執筆段階で約50倍。この1点で勝負してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。