【ラグビーW杯】アルゼンチンとの直接対決、ベスト8進出のカギは“イングランドの戦法”にあり

 

【ラグビーW杯】アルゼンチンとの直接対決、ベスト8進出のカギは“イングランドの戦法”にあり
ラグビー日本代表 (C)Getty Images

ラグビーワールドカップ2023フランス大会、ジャパンvs.アルゼンチンの試合が8日に迫った。イングランド戦、サモア戦と正念場が続いたが、今度こそ正真正銘の正念場。ベスト8進出をかけた大一番だ。

◆【ラグビーW杯】激戦必至のアルゼンチン戦、海外ブックメーカーは日本勝利に「5.5倍」 “最強布陣”を打ち崩せるか

■負けが許されないジャパン

現在、プールDはイングランドが3戦全勝、勝ち点14でプレーオフ進出が決定。アルゼンチンと日本が2勝1敗、勝ち点9で並んでいる。つまり、勝ったほうがベスト8に進むという分かりやすい状況だ。万が一、引き分けた場合は、ジャパンのみが4トライ以上でボーナスポイントを獲得したケースを除き、得失点差で勝るアルゼンチンが2位となる。

ジャパンはサモアを28-22で振り切った。しかし、一時は17点差をつけて楽勝かという試合展開が、終わってみれば6点差の辛勝。後半7分にレッドカードでひとり少なくなったサモアに追い上げられた。特に終盤、大きなフォワードにラックサイドをつかれて、次々と前進を許してしまった。この部分はアルゼンチンも狙ってくる。修正が急務だ。

収穫はフルバックでスタメン出場したレメキ・ロマノ・ラヴァ。攻守に闘志あふれるプレーを見せ、勝利に貢献した。しかし、「フルバック、レメキ」は、第2、第3のオプションだったはず。チームが思ったように機能しないなかでジェイミー・ジョセフHCが切った裏技が当たった格好だ。

■アルゼンチンは主力を休ませてチリに圧勝

アルゼンチンは初戦のイングランド戦を10-27で落とした。3本のドロップキック、6本のペナルティキックと、ジョージ・フォード(SO)の足技に完全にやられてしまった。ウォームアップマッチでは勝っていただけに、フラストレーションが溜まる敗戦だった。

しかし、サモアを19-10で下すとチームに落ち着きが戻った。続くチリ戦では、パブロ・マテーラ(FL)、トマス・ラバニーニ(LO)、サンティアゴ・カレーラス(SO)、エミリアノ・ボフェリ(FB)といった主力を休ませながら、59-5と圧勝した。ジャパン戦に向けて、心身ともにいい状態で臨めそうだ。

■勝利への意欲が強いチームが勝つ

ジャパンとしては、常にリードした状態で試合を運びたい。アルゼンチンは、2015年にワラビーズを準優勝に導いたマイケル・チェイカがHCに就任して以来、規律が明らかに向上した。しかし、フラストレーションが溜まると気の悪い面が露呈する。相手をイライラさせて、ペナルティを誘いたい。

Advertisement


そのためには、イングランドの戦い方が参考になる。キックが好調の松田力也(SO)を使って、遠い位置からでもPGを狙うのがいいだろう。サモア戦に続いてFBに入るレメキのカウンターアタックとロングキックもポイントになりそうだ。

アルゼンチンは過去のワールドカップで3位と4位がある強豪チーム。胸を借りるつもりで持てる力をすべて出してほしい。勝利への意欲が強いチームがプレーオフに進む。

■完璧なラグビーを披露したオールブラックスが本命に浮上

プールAは予選リーグが終了し、フランスが1位、ニュージーランドが2位で準々決勝に進出した。ニュージーランドはイタリアに96-17、ウルグアイにも73-0と大勝。特に実力のあるイタリア戦は、スタメンのほとんどを入れ替えた、いわばBチームでも最高のパフォーマンスを見せつけた。選手層も厚く、出てくる選手がすべてスターばかり。優勝争いの本命に浮上したとみる。また、ライバルのフランスも60-7とイタリアを圧倒。首位通過を決めた。両者が決勝で再びぶつかる可能性も高い。

プールBは、4試合を終えて勝ち点15の南アフリカのプレーオフ進出が決定。残りひと枠は8日のアイルランド、スコットランドの直接対決でどちらかに決まる。世界ランキング1位のアイルランドが順当に勝ち上がりそうだ。

プールCは、4試合を終えたオーストラリアが勝ち点11で2位につけるが、3位フィジーとの差はわずか1。フィジーが9日のポルトガル戦で勝ち点1を取った時点で、オーストラリアのワールドカップ初のグループリーグ敗退が決まる。ジャパンが2位でプレーオフに進出した場合、プールCの1位と当たる。7日のウェールズvs.ジョージアの結果も気になる。

◆【ラグビーW杯】激戦必至のアルゼンチン戦、海外ブックメーカーは日本勝利に「5.5倍」 “最強布陣”を打ち崩せるか

◆サモア戦、明暗分けた「ディフェンス力」と「キック精度」 ラグビーW杯元日本代表が語る勝因と8強へのキーマン

Advertisement


◆姫野和樹「日本中でONE TEAMに」 VSアルゼンチン最終決戦へ国民に要望「それが死闘を制する鍵」

著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。