今季オフにFAとなる、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。チームに残留するか、新天地を求めて移籍するのか。連日のように現地メディアでも報じられ、その動向には大きな注目が集まっている。
ここでは、MLBの公式データを元に、大谷が来季所属するチームが本塁打数にどのような影響を及ぼすのか検証してみたい。
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■ヤンキースタジアムよりも左打者に有利
今季の大谷は打率.304、44本塁打、95打点で自身初の本塁打王を獲得。150メートルの本塁打が打てる大谷なら、どこへ移籍しても高いパフォーマンスを維持できるとは思うが、環境次第で本塁打数をさらに伸ばせる可能性がある点は抑えておきたい。
MLB公式『Baseball Savant』では、球場ごとの偏りを表す指標「パークファクター」が詳細に掲載されている。安打や本塁打の出やすさを始め、打球の飛距離に影響する要素(風、標高、気温、屋根の有無など)が網羅され、各球団のチーム作りにまで理解を深められるのが魅力だ。
直近3年間の“本塁打の出やすさ”を球場別に調べると、ナ・リーグ中地区、シンシナティ・レッズの本拠地グレートアメリカン・ボールパークが群を抜いている。平均を100とした場合で、全30球場ダントツトップの「131」をマーク。他球場に比べ全体的に狭く、右翼ポールまでわずか99メートルしかない。三塁打が非常に出にくいが、本塁打を量産するにはこれ以上ない環境と言える。さらに、左打者に限定すると数値は「139」まで跳ね上がり、2位のヤンキースタジアムの「123」を大きく引き離す。
1年間グレートアメリカン・ボールパークでプレーし続けた場合、大谷は今季「48本塁打」になっていたという公式データも。全打球分布を当てはめると、多くの凡打がスタンドインする可能性を秘めており、フルシーズン戦い抜ければ夢の60本塁打も見えてくる。
レッズは2022年に100敗を喫するも、エリー・デラクルーズやスペンサースティーアなどの才能豊かな若手が台頭。今季は82勝80敗まで躍進し、シーズン最後まで激しくワイルドカード争いを繰り広げた。移動距離がメジャー全体で5番目に少なく、身体への負担も少ないのが魅力。来季の移籍先候補に加えてみてはいかがだろうか。
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文●有賀博之(SPREAD編集部)