■奇跡のウォーターショットで初優勝
マイナビABCでもっとも印象的なのは、2008年の石川遼初優勝の瞬間だろう。
最終日、首位の深堀圭一郎を3打差で追う石川は、前半からスコアを伸ばし、16番で逆転に成功。深堀に2打差をつけて迎えた18番、石川に最大の試練がおとずれる。
石川はティーショットを左のラフに入れ、セカンドではグリーンを狙いづらい状況に。それでも果敢に2オンを狙った石川だったが、セカンドショットは無情にもグリーンに届かず、手前の池へ転がり落ちてしまう。一方で深堀は安全策で3オンに成功。石川のショット次第では逆転も可能な状況となった。
石川のボールは池に入っていたものの、深く沈んでいるわけではなく、ドロップせずとも打てる状態であった。非常に難しいアプローチとなるが、石川は迷わずウォーターショットを選択。約1万3千人のギャラリーが見守る中、石川の放った打球は水しぶきを上げながらピン方向へと転がり、プロ初優勝を決定づけたスーパーショットとなった。
石川のウォーターショットをはじめ、数々の名シーンを生んだABCゴルフ倶楽部の18番。今年の18番ではどんなドラマが生まれるのか。
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(G.Tsukamoto/SPREAD編集部)