2日(日本時間3日)にフリーエージェント(FA)選手が公示され、今オフは130人がFAとなった。最大の注目は大谷翔平の去就で、新契約はMLB史上最高額となる5億ドル(約750億円)に達すると予想されている。激しい争奪戦を制するのはどの球団か。本命視されるロサンゼルス・ドジャースの地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』は早速、「チームはショウヘイ・オオタニと契約しなければならない」とゲキを飛ばした。
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■獲得すべき理由「精神的な強さ」も評価
米スポーツメディア『ESPN』が「オオタニの季節到来!」との見出しでFA関連の話題を報じるなど、今オフの移籍市場は大谷一色となっている。
各メディアが二刀流の新天地を予想するなか、移籍先として本命視されているドジャースの地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』は「ドジャース、オオタニとの契約は必須。しかし、才能だけが獲得すべき理由ではない」と題し、チームに強く獲得を要請した。
執筆したのは、ディラン・ヘルナンデス記者。日本語も操る同記者のコラムは、独特の切り口で日頃から人気を集めているが、今回も多くの読者を引き付けている。
大谷を獲得すべき理由として、同記者は「彼は球界で誰よりも才能に溢れている。しかし、その才能と同じくらい精神的強さもある。才能だけが獲得すべき理由ではない」と訴え、持ち合わせているメンタルの強さも価値があると説いた。
同記者がハートの強さを支持したのは、それが大舞台での活躍につながると分析したから。ドジャースは今季、2年連続でシーズン100勝をマークし、独走で地区優勝。しかし、プレーオフに入ると一転、1勝もできずに早々と姿を消した。特に今回は主軸のムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンが2人合わせて21打数1安打という極度の不振だった。
■まるでメッシ「大舞台のために生まれてきた」
この結果を受けて同記者は「大舞台で実力を発揮するには精神力が大切」と痛感。シーズン中、ロサンゼルス・エンゼルスのフィル・ネビン監督が「(大谷は)常に注目を浴びている中で高いレベルのパフォーマンスを発揮できる……。それができるのは精神的に強い人だけだ」というコメントを例にとり、「オオタニは大舞台のために生まれてきた。彼はベッツとは違う。みんなが見ていると分かっている時に好パフォーマンスを発揮する。期待が集まる時に力を発揮する」と指摘した。
精神面の強さが発揮されたシーンとして、同記者が例に挙げたのは今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝メキシコ戦。1点ビハインドの9回に先頭で打席に入った大谷は右中間を破る二塁打を放ち、サヨナラ勝ちの足がかかりをつくった。重圧をはねのけ劣勢を覆した一撃について、大谷は「何があっても出塁すると決めていた」と後に語っていたが、同記者はこのマインドこそドジャースに必要と分析。そして、WBCで見せた活躍を「カタールW杯でアルゼンチンを優勝に導いたリオネル・メッシのようだった」とし、プレーオフという大舞台を勝ち抜くためにも大谷の獲得は必須とした。
地区優勝を成し遂げてもワールドシリーズには届かないドジャース。その壁を破るために、大谷の持つ才能と精神力が求められているようだ。
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文●SPREAD編集部