「朝倉未来に今、足りないモノ」 BellatorとRIZIN王者を連続KOの鈴木千裕が示した「負ける覚悟」

 

「朝倉未来に今、足りないモノ」 BellatorとRIZIN王者を連続KOの鈴木千裕が示した「負ける覚悟」
ヴガール・ケラモフ(上)のテイクダウンに抵抗する鈴木千裕(C)RIZIN FF

RIZIN初の海外大会「RIZIN LANDMARK7(ライジンランドマーク7)in Azerbaijan」は4日(日本時間4・5日)、アゼルバイジャン・バクー ナショナルジムナスティックアリーナで開催。

メインカードのフェザー級タイトルマッチは鈴木千裕が、王者ヴガール・ケラモフを相手に1ラウンド1分18秒KOの勝利を飾り、第5代RIZINフェザー級王者の座に就いた。

◆【実際の映像】鈴木千裕の強烈ラッシュに王者ケラモフ、マウントポジションのまま失神……

■鈴木「負ける勇気を持って……」

「僕の格闘技は、戦いの中で答えを見つける」

試合後の記者会見でそう語った鈴木は、ケラモフからダウンを奪ったあの蹴り上げについて、「体が勝手に動いた」と振り返った。

試合は開始早々、鈴木がケラモフの右をもらい、直後にシングルレッグからテイクダウンを奪われ万事休す。今年7月の「超RIZIN.2」で朝倉未来をリアネイキッドチョークで葬ったケラモフの必勝パターンだった。

だが、鈴木は下から三角絞めのフェイクから蹴り上げでケラモフの顎にかかとをヒットさせ、フラついた相手に左右のパンチを連打。ケラモフはマウントポジションのまま失神し、レフェリーが試合を止めた。まさに起死回生の逆転劇だった。

振り返れば、Bellator世界二階級制覇王者パトリシオ・ピットブルを、1ラウンド2分32秒に右ストレートでKOした「超RIZIN.2」では、距離を保つピットブルに対し、距離を詰める鈴木の“攻め”がもたらした「大金星」だった。

(C)RIZIN FF

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鈴木はRIZIN8戦7勝1敗、KO・一本勝ちが4回。このうち1ラウンドKOが3回、2ラウンド一本勝ちが1回と決着が早い。

相手の体重超過によりノーコンテストとなったが、今年6月の「RIZIN.43」ではクレベル・コイケに1ラウンド2分59秒に腕ひしぎ逆十字固めでタップアウト、RIZIN初出場となった2021年9月の「RIZIN.30」では、昇侍にゴングと同時に襲いかかるも、左フックのカウンターで顎を打ち抜かれ、わずか1ラウンド20秒TKOで敗れるなど、負けた試合もまた早期決着だった。

「負ける勇気を持って勝ちにいきました」

ピットブルをKOした試合後、RIZIN榊原信行CEOの著書のタイトルを引用し、そう語った鈴木が、BellatorとRIZINの王者を相手に2戦連続KO勝ちした「アップセット」の要因はここに尽きる。

■「負けられない格闘家」朝倉未来

鈴木の試合後、SNSのトレンドに上がったのは同じフェザー級のRIZINスター選手「朝倉未来」の名前。

その朝倉は鈴木とは異なり、巧みな試合運びでの判定勝ちが多いファイター。しかし、誤解を恐れずに言うと、近年は「負けないための試合」が目立つ。

象徴的だったのはクレベル・コイケに一本負けした2021年6月の「RIZIN.28」。第1ラウンド中盤、朝倉の打撃がクレベルにヒットしたが深追いしなかったシーンがあった。試合後、朝倉は「目が死んでなかったから、行きすぎたらやばい」と語ったが、結果、ここが勝敗のターニングポイントにも見えた。

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YouTube、アパレルブランド、『BREAKING DOWN』のプロデュース……多岐にわたる成功が「負けられない格闘家」朝倉未来をつくり上げてしまったか。

その朝倉は新格闘技イベント『FIGHT CLUB』でRISE王者YA-MANと、オープンフィンガーグローブのキックボクシングルールで対戦する。「昔の朝倉未来を呼び戻す」と語るYA-MANとの一戦が、再び「路上の伝説」の闘志を蘇らせるか。

ファンが熱望する「鈴木千裕 vs. 朝倉未来」が実現するとすれば、朝倉が鈴木と同じく「負ける覚悟」を持って挑んでこそ、名勝負となるはずだ。

◆「馬鹿にされる展開は違う」平本蓮が朝倉未来を擁護 鈴木千裕のアップセットは「世界的に見てもすごいKO」

◆「昔の朝倉未来を呼び戻す」YA-MAN、旗揚げ大会のメインで“路上の伝説”との殴り合いが正式決定

◆鈴木千裕の常識外れな「下からのパウンド」はなぜ決まったのか、青木真也が徹底解剖「格闘技を知らない強みが……」

(A.Kudo/SPREAD編集部)