4月4日、皇居近くのランニングステーションで、音楽用イヤホン「Jaybird」の契約選手発表会が開催された。
今回登壇したのは、陸上男子マラソンの川内優輝(かわうちゆうき)選手、次男でJaybird所属の陸上選手川内鮮輝(かわうちよしき)選手、三男でMEDIFOAM AC所属の陸上選手川内鴻輝(かわうちこうき)選手。
今回はお母さんの川内美加(かわうちみか)さんも登壇。プロ選手としての今後の活動のみならず、音楽や結婚についても語ってくれた。
同社は昨年にウルトラマラソンのトップ選手である鮮輝選手とスポンサー契約。さらに、3日にはプロとして「あいおいニッセイ同和損害保険」と所属契約会見をしたばかりの長男・優輝選手とも契約を交わしている。
「もともとハードロックが好きでしたが、 ボストンマラソンのウォーミングアップ時にヘビーメタルを聴いたら優勝できたということもあって、テンポの速い曲が最近の好みです」と優輝選手。
「テクノサウンドやユーロビートもテンションが上がるので聴いていますが、緊張感があるときは涙が出るくらいのゆっくりとした曲を聴いて自分をコントロールします」と、音楽の使い分けでメンタルコンディショニングをしていることを語った。
ところで、走りながら音楽を聴く際に気になることといえば「イヤホンで耳にする音楽のテンポ」と「ランニングのピッチ」が合うかどうか。しかし、優輝選手によるとこれはあまり問題ではないという。
「気分が上がらないときは激しい音を聴いて、思いっきりヘコんでいるときはさらに激しい曲に。逆にレース前に緊張しすぎているときは、テンポが遅くゆったりしていて気持ちが落ち着くような曲を聴く」そうだ。
また、以前にX JAPANの「紅」が好きだと報じられたことがあるが、「紅よりも 『Silent Jealousy』や『X(曲名)』のほうをよく聴きます」とコメントしていた。
音楽はランニングにとって重要
そんな優輝選手だが、高校時代の最後まで音楽とは無縁だったという。ゴールして倒れるほど全力で走るスタイルは小さいころから変わらないというが、練習だけに没頭していた高校時代にケガで苦しんだ時期がある。
「そのときに音楽を聴くようになりました。レース前に聴いていると気持ちが高まって集中できるようになるんです。大学ではいろんな音楽に興味が増えてきて、1人カラオケで6時間歌っていました」
優輝選手にとって、音楽はいろいろな意味でストレス発散に。レースに向けて気持ちを高めるなど、マラソン選手のツールとして使うようになったという。
「社会人になったときはジョギング中に聴くようにしました。自宅の周りで同じような景色を見て、同じような練習内容で走り続けていると、どうしても飽きてしまうんです」
「あまり走りたくないなと思ってしまう日は人間だからある。そうしたときにイヤホンから音楽が流れてくると、テンションが上がって走りに行こうかなという気持ちになれる。 弱い自分を助けてくれるんです」
新しい家庭を持つ息子たちに母は
3兄弟は、小さいころから日課のようにお母さんの美加さんに走らされたという。
「それがよかったのか。まさかここまで走れるようには当時は思っていませんでした」というが、毎日タイムトライアルをしてそれをクリアしないと罰ゲームがあるというスパルタ教育だったことも明かしてくれた。
プライベートでは3兄弟のおめでたい話が相次いでいる。美加さんは「正直言ってさみしい」というほどだ。わずか1年で3人が新しい家庭を持つことになった。
優輝選手の婚約者は元デンソー陸上長距離部の水口侑子さん。婚約者がつい先日まで現役ランナーだったということもあり、遠征先のホテルで会うことも多いという。
三男の鴻輝選手によれば、「自分と長男(優輝選手)はいきなり母に報告してビックリさせてしまいました。今年1月に長男に結婚することを伝えたら、『オレも結婚するんだ』と言ってくれたので、家の中でハグしました」という。
プロ転向。そして婚約。新たな環境の中でも優輝選手の目標は揺るぎない。
「プロに転向して新しい環境になった。ウルトラマラソンで頑張っている弟の鮮輝の真剣さを見て、高校時代に夢描いたような熱い心がよみがえってきた。日本全国でいい走りを見せたいし、もし日本代表の座をつかんだら10月のドーハ世界陸上に向けて頑張っていきたい。長期的な計画では2021年のユージーン世界陸上でメダルを目指したい」
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