西村優菜は今季リカバリー率約11%減、平均パット1.2打増も、来季は飛躍の可能性 米女子ツアールーキーの1年振り返り

 

西村優菜は今季リカバリー率約11%減、平均パット1.2打増も、来季は飛躍の可能性 米女子ツアールーキーの1年振り返り
西村優菜(C) Getty Images

2023年のLPGAツアーには、畑岡奈紗、笹生優花、古江彩佳、渋野日向子らに加え、ルーキーとして西村優菜、勝みなみが参戦した。

西村と勝はともに昨年のQシリーズを突破して今季のツアーメンバー入り。当時、勝はQシリーズで5位の成績を残し、カテゴリー14というほぼ全試合出場できる出場権を手にした。一方で西村はQシリーズを24位タイで終え、カテゴリー15の位置に。出場試合が限られるなかでシーズンをスタートさせた。

最終的には西村がCMEグローバルポイント48位(701ポイント)、賞金ランキング47位(約8792万6963円)にランクイン。勝はCMEポイント74位(457ポイント)、賞金ランキング71位(約5756万9126円)と健闘した。

しかし、日本では1年で1億円以上稼いでいた2人。特に西村は出場試合の限られたシーズン序盤戦で結果を残し、リシャッフルを乗り越え、最終戦であるCMEグループ・ツアー選手権に出場するまで上り詰めた。今回は西村の今季大会成績とスタッツを振り返り、来季の活躍について探っていく。

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■西村優菜は伸びしろだらけ

まず西村の大会成績を見てみると、シーズン初戦となったドライブオン選手権は予選落ち。4月のシェブロン選手権まで予選は通過するも30位以内には残れない状況が続いた。しかしその後、JMイーグルLA選手権では17位タイと健闘、続くコングニザントファウンダーズカップでも31位に入り、第1回目のリシャッフルでカテゴリー8(ポイントラインキング上位80位以内)に昇格。

シーズン中盤はメジャートーナメントを中心に予選落ちも続いたが、終盤戦ではウォルマートNWアーカンソンズ選手権で自己最高の3位タイ、ビュイックLPGA上海で8位タイに入るなどでポイントを積み重ね、シーズン最終戦であるCMEグループ・ツアー選手権にも出場。ポイントラインキング60位タイ以上の選手とそのシーズンのツアー優勝者で争われる最終戦で通算14アンダー、13位タイの成績を残した。

西村優菜、2023年大会成績

西村優菜、2023年大会成績

シーズン終盤にかけてLPGAツアーのタフなセッティングに対応してきた西村だが、今季のスタッツを見ると来季は飛躍の年になる可能性が高い。

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2022年の国内ツアー参戦時と今季のスタッツを比較すると、ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率は向上した一方で、グリーン周りやグリーン上のスタッツが減少。国内ではリカバリー率70.636%(2位)を記録し得意としていたが今季は59.5%。平均パット数(ラウンド)では約1.2打も多く叩いた。しかし、今季シーズン終盤に好成績を残せたと考えると、本来得意分野であるアプローチやパットも上向いてきているはずだ。

西村優菜、スタッツ比較

西村優菜、スタッツ比較

さらに渡米前には株式会社Gunosyとスポンサー契約を結び、発信力支援とプレーデータ分析サポートを受けている。強力なバックアップのもと今季のデータを分析し課題をクリアすれば、来季はさらに活躍するだろう。

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昨年のQシリーズ終了時には目標としていた20位以内に入れず、悔し涙を流したところから今季はスタートした。しかしシーズンが終わってみればルーキーとして最終戦に出場し、上位フィニッシュという十分な成績を残した。2024年まずはツアー1勝目を挙げたいところだ。

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(G.Tsukamoto/SPREAD編集部)