今週は京都競馬場で日経新春杯(芝2400m)が行われる。菊花賞出走組が中心勢力を担う今年。古馬も楽しみな馬が多く混戦ムードが漂っている。
ここでは、過去10年データから京都開催の2011~20年を参照。ブローザホーンとハーツコンチェルトにフォーカスした「100 or 0%」データを取り上げる。
◆【日経新春杯2024予想/追い切り診断】ハーツコンチェルトを上回る高評価 「時計面、本数ともに申し分なし」
目次
■ブローザホーンに【1.0.2.0】のプラス材料
未勝利脱出まで時間を要したものの、昨年は条件戦を連勝しオープンクラスでも好走。中長距離戦線で存在感をアピールしているのがブローザホーンだ。前走京都大賞典は競走中止のアクシデントに見舞われたものの、当時は2番人気。ボッケリーニやプラダリア、ヒートオンビートといった重賞戦線の常連を上回る支持を集めていた。休み明けの臨戦過程が気になるところだが、マイナス要素を一掃するデータを発見した。
・前年に京都芝外回り連対歴がある関東馬【1.0.2.0】
母数こそ3頭だが、その内訳は1番人気1着、3番人気3着、4番人気3着。断然人気馬が残した成績というわけでもなく、中身は濃い。
その背景を紐解くと、芝中長距離を主戦場とする関東馬にとってこの時期狙いたい重賞は、先週施行された中山金杯もしくは来週に施行されるAJCC。長距離輸送のリスクを減らす意味でもベターな選択肢を“すっとばして”まで関西遠征を敢行することに強い勝負気配を見出すことができる。ブローザホーンは昨年5月に京都芝外回りを圧勝し、秋初戦も当舞台の京都大賞典に出走。思わぬアクシデントを経て臨むリベンジ・マッチに期待したい。
■ハーツコンチェルトに【0.0.0.10】の向かい風
その一方で、不安要素ありと言わざるを得ないのがハーツコンチェルトだ。昨年春は青葉賞2着、日本ダービー3着と大舞台で立て続けに好走。そのポテンシャルは世代上位級と捉えらえれる1頭だが、今回は京都での施行というシチュエーションが重くのしかかる。
・関西圏で馬券内がない関東馬【0.0.0.10】
前走ステイヤーズS勝利から臨んだコスモヘレノス、のちの重賞好走馬ステラウインドも馬券外に。関西圏での上位進出経験がない関東馬にとって、越えるべきハードルは高いものとなっている。
オール野芝の中京新馬戦圧勝、秋・春の東京芝重賞馬券内と好走は高速馬場に集中するハーツコンチェルト。時計・上がりともにかかるタフな今開催の京都芝もベスト条件とは言い難い。実績は申し分ないが、この馬を狙うなら時計・上がりの速い左回りでファイナルアンサー。先週と変わりない馬場傾向なら、ここは“バッサリ切る”タイミングなのかもしれない。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。