今週は京都競馬場で日経新春杯(芝2400m)が行われる。今年から再び京都芝外回りが舞台。荒れたタフな芝への対応もカギとなりそうだ。
ここでは、過去10年データから京都開催の2011~20年を参照。レッドバリエンテとディアスティマのディープインパクト産駒2頭にフォーカスした「88 or 0%」データを取り上げる。
◆【日経新春杯2024予想/追い切り診断】ハーツコンチェルトを上回る高評価 「時計面、本数ともに申し分なし」
目次
■レッドバリエンテに【4.2.2.1】の好データ
未勝利→1勝クラス→2勝クラス→3勝クラスと段階を踏んで着実にステップアップ。自身2度目となる重賞に挑むのがレッドバリエンテだ。イクイノックスやドウデュースといった派手な活躍が目立つ現5歳世代の1頭だが、中京など裏街道を地道に歩んできた馬。掲示板外に敗れたあとのレースで不安もよぎるが、今回は“地の利”を活かせる場所替わりが味方しそうだ。
・非関東圏の成績【4.2.2.1】
9戦中8戦で馬券内の“88%データ”に該当。関東圏では脆さをのぞかせてる馬だが、非関東圏での安定感には目を見張るものがある。【4.2.2.1】は際立った好成績だ。
この馬について補足すると、前走は直線での進路確保に手間取ったレース。終いの脚は上位馬をもしのぐ勢いで、スムーズに捌けていれば2着争いに加わっていた可能性が高い。当時の勝ち馬がのちの香港ヴァーズ2着馬ゼッフィーロなら一定のレベルは保証されるだろうし、今の京都芝は馬場が緩く、良馬場でも稍重をこなせる適性が要求される特殊な馬場。稍重-重で2戦2勝のこの馬が突き抜けるシーンは想定すべきだ。
■ディアスティマには【0.0.0.41】データが……
レッドバリエンテとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがディアスティマだ。目黒記念2着、日経賞3着の実績はメンバー中上位にランクされるもの。 長距離適性の高さはこの舞台で活きると思いたいところだが、今回は年齢面がネックとなる。
・年齢が7歳以上【0.0.0.41】
これだけの頭数が出走したにもかかわず、馬券内ゼロの“0%データ”に抵触。前年の天皇賞・春3着馬ナムラクレセントや本レースでの複数馬券内歴があったアドマイヤフライトなど、出走馬がまったくノーチャンスではなかったことを踏まえると厳しいデータと言わざるを得ない。
前走、3走前とかつての先行力が鳴りを潜めるレースが目立っているディアスティマ。同じ逃げ馬かつ、目下売り出し中の田口貫太が手綱を握るリビアングラスの存在も展開面のマイナス材料となりうる今回は“消し”の選択肢も考えたい。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。