■ノッキングポイント
【中間調整】昨年は毎日杯2着、日本ダービー5着、そして新潟記念を勝利と存在感を発揮。クラシックのラスト1冠・菊花賞はドゥレッツアに2秒以上突き放された15着に沈んだものの、2周目4コーナーで下がってきた馬の影響でゴチャつき、まともに番手を下げる不利があった。そもそも3000mは長かった印象があるし、度外視していい大敗だろう。その後は放牧で疲れを癒し、適条件と言えるここで今期初戦を迎えることに。
今回は2月上旬に美浦へ戻り、順調に立ち上げられている。その後、早めに栗東へ移動して、2週前追いから現地での調整をスタート。1週前のCW併せ馬には駆け付けた戸崎騎手が騎乗し、帯同させた同厩の古馬2勝クラスと追走併入した。時計は圧巻の5F65秒1(強め)。
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【最終追い切り】レース当週も栗東CWで併せ馬。負荷は軽めで、3歳未勝利を相手にバランス調整に徹したような内容だった。先行した相手になんなく取り付くと、貫禄の違いを見せるようにアオり、そのまま楽々と併入。気合い乗りは抜群の域にありそう。
【見解】環境変化に動じず3週続けて栗東CWで軽快な動きを披露。馬自身の性格や充実ぶりもあるだろうが、やはり栗東滞在での調整経験が豊富な木村厩舎ゆえの、知見の蓄積といった厩舎力が大きくモノを言っているのかもしれない。その厩舎サイドのコメントは“久々なので……”と慎重気味ではあるが、最終追いで感じさせた気迫から割引く必要はなさそう。文句なしの好気配。
総合評価「S」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。