【高松宮記念/危険な人気馬】前走重賞Vも“消し” 「0.0.0.9」のステップ、「0.0.0.3」の中京で凡走パターン濃厚

 

【高松宮記念/危険な人気馬】前走重賞Vも“消し” 「0.0.0.9」のステップ、「0.0.0.3」の中京で凡走パターン濃厚

今週は春のスプリント王決定戦、第54回高松宮記念(GI、芝1200m)が中京競馬場で行われる。

今年は、昨年の当レース2着ナムラクレアをはじめ、スプリンターズS覇者のママコチャ、シルクロードSを制したルガル、重賞連勝中のウインマーベルなど、スプリント戦線のトップランカーが集結。加えて、ここがラストランとなるメイケイエールや、香港からビクターザウィナーが参戦するなど、多彩なメンバーが顔を揃え、激戦必至の桶狭間決戦だ。

そんな中、オーシャンSを制して臨むトウシンマカオが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■右回り外めの枠が、トウシンマカオの好走パターン

昨年の高松宮記念では5番人気の支持を集めたが、極悪の不良馬場で切れ味を削がれ、15着と大敗に終わったトウシンマカオ。そこから巻き返しを図り、京阪杯を連覇、そして前走のオーシャンSも完勝し、重賞連勝の勢いでGI奪取を目論む。

これまで1200mの重賞を3勝し、スプリント戦線では主役級のトウシンマカオだが、実はその勝ちパターンは、“ある法則時”に限られている。それは「右回りの外枠に入った時」だけ。2022年オパールS(16頭立て16番)、同年京阪杯(16頭立て14番)、23年京阪杯(18頭立て17番)、前走オーシャンS(16頭立て15番)と、1200mの全4勝はすべて外めの馬番だった。

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一方、昨年の函館スプリントS3着(16頭立て1番)や、スワンS9着(18頭立て4番)など、内めの馬番時には勝ち切れていない。また左回りコースは、2・3歳時には東京や新潟で勝っているが、昨年中京で行われたシルクロードSでは、15頭立て15番と得意の大外枠ながら4着に敗れ、【0.0.0.3】と唯一、好走経験のない競馬場となっている。やはり、本馬がベストパフォーマンスを発揮できる条件は、右回りの外枠に入った時だ。今回の中京1200mでは、凡走パターン濃厚で一枚も二枚も割り引く必要があるだろう。

また過去10年の高松宮記念で、前走オーシャンS組は【1.2.4.54】とまずまずの成績を残しているものの、馬券圏内に入った馬は、すべてオーシャンS敗戦組。オーシャンSを制して臨んだ馬は【0.0.0.9】と、すべて圏外に敗れている。この中には、2017年メラグラーナ(3人気10着)、19年モズスーパーフレア(2人気15着)、20年ダノンスマッシュ(3人気10着)など、人気を背負って大敗している馬も多く、決して信頼度は高くない。

今回はC.ルメールを鞍上に迎え、必勝態勢で臨むが、同騎手の中央GI50勝中、実に44勝が社台グループの馬で、勝率21.7%、連対率41.1%、複勝率51.5%と抜群の成績を誇るが、非社台系の馬に騎乗時は【6.1.5.31】の成績で、勝率13.9%、連対率16.2%、複勝率27.9%と、極端に数字が落ちる。鞍上込みで過剰な人気を集めるようなら、妙味ほどの信頼感はないと考え、今回は思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。