大谷翔平投手の通訳だった水原一平氏が21日、違法賭博に関与した疑いでドジャースから解雇された。22日(日本時間23日)にはMLB機構が「調査のための正式な手続きを開始した」との声明を発表するなど、騒動は拡大するばかり。
米紙『USA TODAY』のボブ・ナイチンゲール記者は同日、「大谷が何も知らなかったというのは不可解」という関係者の声を紹介したが、果たして大谷の口から“真相”が語られる日は来るのだろうか。
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■ギャンブル癖に気づかないのは不可解
大谷と水原氏の古巣、エンゼルスの取材に出向いたナイチンゲール記者は「彼らはオオタニのイメージが突如として汚されるのを嫌がっていた」と記し、元同僚たちは「この話にはもっと何か続きがあるはずだよ」と繰り返し述べていたという。
ミッキー・モニアック外野手が「彼らは素晴らしい人たち」と話せば、ブランドン・ドゥルーリー内野手も「いい人だよ、2人ともね」と口にしたように、選手たちは“擁護”したい気持ちを隠せなかった様子。ただ、エンゼルス時代の大谷を知る関係者たちからは懐疑的な目が向けられている。
同記者によると、関係者たちは「メジャーに移籍して以来、オオタニとミズハラは切り離せない状態にあった。ずっと一緒に過ごす中で、オオタニがミズハラのギャンブル癖に気づかなかったのは不可解だ」と語ったという。
同記者も「オオタニは野球の規律からマーケティングの知識に至るまで理解しており、これまで会った中でもっとも知的な人物の1人」と紹介し、なおさら自分の銀行口座から多額の送金が行われていることを知らないまま過ごすわけがないだろうと指摘した。
■最大のダメージは評判に傷がつくこと
また、同記者はこれまでの取材から「オオタニは確かに英語を理解している。チームメートやドジャースのスタッフとも英語で話している」と明かし、“言葉の壁”による関係各所との行き違いも否定した。その上で「オオタニを刑務所に入れようとする検察官がいると本気で信じる人は皆無だろう」とし、大谷が害を被る可能性は低いと予測した。
ただ、処分は免れたとしても「オオタニにとっての最大のダメージは、彼の評判に傷がつくこと。どんな決着を見ようとも面目ないことに変わりはない」と断じ、大谷ブランドの低下は避けられないと見立てた。
著名なベテランエージェントのリー・スタインバーグ氏は同紙の取材に応じ、「オオタニは考え得る限り最高の黄金期を迎えていた。彼はハンサムで、ベーブ・ルース以来もっとも才能のある野球選手。全米の観客を彼らの試合に引き寄せる変革的な人物だ」と評価しつつ、韓国遠征中に出たスキャンダルを最悪のタイミングと指摘。野球を世界にアピールするという機会に冷や水を浴びせたと分析した。
同氏は「オオタニが違法賭博について何も知らず、通訳に資金を送金する権限を与えていたことが判明することを願っている。オオタニが友人に騙され、彼は人を見る目がなかったという以上のダメージを負わないことを祈る」と話した。
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文●SPREAD編集部