今週は中山競馬場で皐月賞(芝2000m)が行われる。昨年はソールオリエンスが無敗の皐月賞馬に輝いた一戦。今年も同馬に続けとばかりに複数の無敗馬がクラシック一冠目に挑む。
ここでは、過去10年からジャスティンミラノとサンライズアースにフォーカスしたデータを取り上げる。
◆【皐月賞2024予想/追い切り診断】ジャスティンミラノを超える「S」評価 「非の打ちどころなし」 センスと脚力で秀でた“大器”に太鼓判
目次
■ジャスティンミラノに「2.0.1.0」好走データ該当
新馬戦後に臨んだ一戦でGI馬ジャンタルマンタルを下した前走共同通信杯。上がり3F32秒6と、東京向きの瞬発力を存分に発揮したのがジャスティンミラノだ。ドゥラメンテやエフフォーリア、ジオグリフなど数多くの勝ち馬を輩出する共同通信杯組。その傾向はデータにも表れている。
・共同通信杯を上がり3F33秒前半以内で勝利【2.0.1.0】
この条件での馬券内率は100%。イスラボニータやエフフォーリアが勝利を収め、ダノンキングリーも3着。前述3頭は皐月賞のみならず日本ダービーと馬券内を確保していたことから”出世データ”の表現が大げさではない。
本レースに3頭が出走し、桜花賞ではライトバックが7番人気3着と躍進が目立つキズナ産駒。その大将格と言えるジャスティンミラノにかかる期待は大きなものとなりそうだ。出世ラップを武器に挑むクラシック初戦。操縦性の高さは折り紙つきで、混戦ムードを断ち切るのはこの馬かもしれない。
■サンライズアースに【0.0.0.9】の鬼門データ
その一方で、同じ2戦2勝馬のサンライズアースは不安材料ありと言わざるを得ない。レース史上2位の勝ち時計で制した前走すみれS。レイデオロの初年度産駒として臨むクラシック戦線だが、ローテーションが好走へのハードルを引き上げる。
・前走すみれS勝ち馬【0.0.0.9】
9頭すべて馬券外と、見るも無残な結果に。このなかには皐月賞で3番人気だったキタノコマンドールやのちの菊花賞2着馬クリンチャー、サトノルークスもいたが、ことごとく凡走を喫した“0%”データだ。
サンライズアースの前走を振り返ると、10頭立てで道中9番手から一気のマクリ戦法。フルゲート18頭において再現性が高い戦法とは言えないだろう。好天が予想される週末中山は高速馬場が濃厚。菊花賞でこそ、と思えるタイプだけに大舞台で狙うのは秋以降になるのかもしれない。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。