今週は、春のマイル戦線を占う上で重要な一戦となる、第55回マイラーズC(GII、芝1600m)が京都競馬場で行われる。
今年は、一昨年のマイルCS勝ち馬セリフォスと、昨年のマイルCS2着のソウルラッシュが中心的存在。加えて、ダービー卿CT2着で復活の兆しを見せるエエヤンや、京都金杯を制したコレペティトール、重賞2勝のソーヴァリアントや、トランキリテ、ニホンピロキーフといった上がり馬も、虎視眈々とタイトル奪取を狙っている。
そんな中、メンバーで唯一のGI馬セリフォスが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■両雄並び立たず…分が悪いGI馬
今年のマイラーズCは、セリフォスとソウルラッシュの2強ムード。この2頭は、前走の香港マイルをはじめ、これまでに6度対戦経験があり、先着を果たしたのは、セリフォスの4度に対し、ソウルラッシュが2度と、セリフォスが1歳年下ながら、GI馬の貫録を見せている。
しかし近2走は、マイルCS、香港マイルと、ソウルラッシュのほうが連続して先着を果たすなど、先輩としての意地を見せつつあり、当レースは一昨年優勝、昨年は3着と、レースとの相性も抜群だ。一方のセリフォスは、一昨年のマイルCSを勝って以降、国内外のGIを連戦しているとはいえ、勝ち星に見放されている点は気にかかる材料で、ややリズムに乗れていない印象がある。
過去10年のマイラーズCでは、前走がGIだった馬(海外を含む)の成績は【0.0.3.7】と、トップマイラーが出走するレースとしては、意外に相性は悪い。前走が香港マイルという点では、セリフォスもソウルラッシュも当てはまるのだが、着目したいのは着順。
過去10年の勝ち馬10頭の中で、クラスを問わず、前走で6着以下に敗れていた馬は、2016年のクルーガーのみで、他の9頭は、すべて5着以内には入っていた。ソウルラッシュは香港マイルで4着と掲示板を確保。一方のセリフォスは同レースで7着に敗退しており、マイラーズCの必勝条件をクリアできていない。
またセリフォスは、京都のマイル戦は昨年のマイルCS一戦しか経験はなく、2番人気8着と結果を残せなかった。同馬は東京や阪神など、直線に坂のあるコースで、上がり33秒台前半の切れ味を発揮して、前を飲み込むのが得意とする戦法。
今週から開幕する京都コースは、高速馬場は必至で、ある程度前めに位置しないと、先行勢を捕まえられない可能性もある。だが、昨年のマイルCSのように、先行集団に取りついて、いい位置にいるように見えても、自身の本来の走りを見せられないまま終わってしまうのではないか……そんなシーンが再び頭をよぎる。
これらのことを踏まえ、実績的には最上位の存在だが、人気ほどの信頼感はないと考え、妙味を考慮すると、今回のセリフォスは思い切って「消し」でいきたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。