両リーグを通じて独走状態でホームランを量産しているヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手。
シーズンも残り約1カ月半、どこまで記録を伸ばすのか注目されているが、そんな無双状態のジャッジにも苦手とする投手がいる。
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■ジャッジの「得意・不得意」な投手をピックアップ
8月6日(日本時間7日)時点のジャッジは、リーグトップの41本塁打、103打点、同3位の打率.322を記録。本塁打の内訳は、対ナ・リーグ17本、対ア・リーグ24本。ヤンキースが属するア・リーグ東地区では12本で、オリオールズ、レッドソックスから3本、レイズ2本、ブルージェイズ4本となっている。
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そのなかで、今季5打席以上の対戦でジャッジが本塁打だけでなく安打さえなく、完全に抑えられている投手が3人いる。
まず1人目が、今季4勝8敗のオリオールズのディーン・クレマー投手。平均球速93.4マイル(約150.3キロ)の4シームに、カッター、スプリット、シンカー、カーブを駆使する技巧派で、ジャッジとの対戦は6打席で3打数無安打。2020年からの4年間では13打数4安打、本塁打2本だが、今季は抑えている。
2人目は、レッドソックスのブライヤン・ベロ投手。シンカーを中心に、スライダー、チェンジアップと変化球を武器に10勝(5敗)を挙げ、対ジャッジは6打席4打数0安打。2022年からの通算では11打数2安打で本塁打は許していない。
そして3人目が、ブルージェイズのタージ・ブラッドリー投手。平均球速96.3マイル(約155.0キロ)の4シームに、スプリット、カッターを投げ込み、対ジャッジは6打席で3打数0安打。2023年デビューも昨年は対戦がなかった。
これら3投手に共通するのは変化球主体の技巧派という点。なかでもベロの4シームは全投球の2.6%で、40.1%がシンカー、クレマーの4シームも32.7%でしかない。メジャートップクラスのスイングスピードを誇るジャッジのパワーには、100マイルを超える豪速球ではパワー負けすることになるのだろう。
■打率4割超え、ジャッジが得意とする4投手は?
対して、今季ジャッジが5打席以上対戦して得意としているのが、6打席で4打数3安打の打率.750で本塁打も1本放っているツインズのパブロ・ロペス投手。2023年からの通算では、今季の本塁打が1本目だが、対戦9打席で6打数3安打の打率は.500と得意にしている。
同地区で相性がいいのは、6打席5打数3安打の打率.500、本塁打1本のオリオールズのグレイソン・ロドリゲス投手。リーグトップタイの13勝(4敗)を挙げブレイクしている投手だが、2023年からの通算でも6打数3安打で打率.500をマークしている。
打率だけでなく、本塁打でもジャッジにとって好相性なのが、ブルージェイズのケビン・ガウスマン投手だ。今季3本塁打は最多で、通算でも2016年から50打席で39打数13安打の打率.333、本塁打6本はジャッジがもっとも本塁打を放っている投手でもある。
そして、打率.444、2本塁打を放っているのがレッドソックスのカッター・クロフォード投手。2022年からの通算でも19打数6安打、打率.316で3本塁打を記録している。
現在地区1位のヤンキース。シーズンの残りではジャッジの本塁打だけでなく、ペナントレースも気になるが、2位のオリオールズとはシーズンも佳境の9月24日(同25日)から3連戦が残っている。そこでジャッジにとって得意なロドリゲスが登板するのか、それとも苦手なクレマーか。ジャッジの相性が勝敗を大きく分けそうだ。
ちなみに、7月29日(同30日)にアストロズに移籍した菊池雄星投手は、今季ブルージェイズでジャッジと7打席対戦があり、5打数1安打、本塁打は許していない。2019年からの通算では25打数5安打で打率は.200、本塁打は2本。今季、ポストシーズンでの再戦があるかも注目される。
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