【札幌記念】ここから始まる年内の“シナリオ” 12連敗中の1人気、プログノーシスはエアグルーヴ以来2頭目の連覇なるか

【札幌記念】ここから始まる年内の“シナリオ” 12連敗中の1人気、プログノーシスはエアグルーヴ以来2頭目の連覇なるか

18日に札幌競馬場で第60回札幌記念(GII、芝2000m)が行われる。

昨年の覇者で前走・クイーンエリザベス2世カップ2着のプログノーシス、同3着のノースブリッジ、ドバイシーマクラシック2着のシャフリヤール、安田記念組からはジオグリフステラヴェローチェなど、秋に向けた始動戦となる馬たちがスーパーGIIに集結。

今年は、昨年4馬身差で快勝したプログノーシスが人気を集め、1強状態となりそう。しかし、1番人気は12年連続で白星を挙げられておらず、本馬にとって不穏な雰囲気も窺える。

1番人気が不振な理由に、近年は1戦1戦の消耗度が大きいため、ゆったりとしたローテが最良とされる傾向にあることが影響していそうだ。よって、「賞金が足りたうえで秋へと臨む始動戦の馬」が多い一方で、そういった馬が実績を評価されて人気に推されやすい。人気に推される馬が「勢いをつけて秋のGI獲りへ向かいたい馬」であるかどうかがポイントになりそうだ。プログノーシスの勝負度合いはどうだろうか。

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■連覇なら1998年エアグルーヴ以来

1986年以降、札幌記念を連覇した馬は、97年、98年の名牝エアグルーヴのみ。1年目は単勝1.8倍の1番人気に推され、0秒4差の快勝。翌年は58キロ(当時は別定)を背負いながらも、単勝1.3倍の人気に応え、0秒5差をつける圧勝を収めた。

プログノーシスが記録した0秒7差は、札幌記念において2番目の着差。次いでエアグルーヴ、0秒4差のエアエミネム(2回目の参戦で2着)と続く。最大着差は1秒0差で、重馬場のなか逃げ切ったトウケイヘイロー(翌年11着)。重馬場でしばしば見られる勝ち方ではある。前年の勝ち方という点において、プログノーシスの爆発力はエアグルーヴに謙遜なく、連覇の資格は持ち合わせていると言えるだろう。

昨年は稍重で内が荒れた馬場状態だったものの、初の小回りコースが課題とされる中で外から豪快に差し切り重賞2勝目。次走の天皇賞・秋も3着し、堅実に駆けてきた。今年は札幌記念の走り次第で、豪GI・コックスプレートを使う予定となっている。

■今秋のGI獲りは至上命題

年明けからのローテーションは昨年同様だが、秋は東京ではなくオーストラリア。選択肢としては天皇賞・秋も入っているものの、コックスプレートの方に傾いている状況だ。海外遠征への理由は「秋のレース選択を広げるため」と言われているが、天皇賞・秋には同厩で主戦川田のリバティアイランドが参戦予定であり、プログノーシスにGIを獲らせるために最善策を模索しているところだろう。また、4歳以降は一貫して2000m戦を走っており、6歳秋を迎えてから距離を替えて試行錯誤を図るのは考えづらい。目指すのは2000mのGI、つまり海外GIに限定される。

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昨年の香港カップでは「僅差の結果で悔しい内容」、前走のクイーンエリザベス2世カップでは「いつも通りに臨めましたが、正直悔しい」と中内田師。香港カップへのリベンジがゴールとなる可能性も十分だろう。

すでに6歳を過ぎていて、今秋においてのGI獲りは至上命題。香港で2着した3戦全て、勝ち馬はロマンチックウォリアー。同馬は昨年のコックスプレートを制しており、力関係を考慮すればプログノーシスもかなり色気を持っての参戦となるだろう。コックスプレートではD.レーンが手配される予定となっており、年内のシナリオを考えると、秋を占う始動戦となる札幌記念でコケるわけにはいかない局面だ。

金鯱賞勝利→クイーンエリザベス2世カップ2着→1週前に函館入厩で札幌記念、この臨戦過程は昨年とまったく同じ。正直メンバーレベルは昨年よりも1枚落ちる印象で、昨年以上の圧勝劇とは言わずとも、1番人気の連敗にストップをかける可能性は高い。

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